落語界の活性化と東西交流の促進を目指し、毎年7月に東京・銀座で開かれてきた「大銀座落語祭」が、「当初の目的を達成した」として終了した。5回目の今年(17~21日)は、林家正蔵、桂小米朝、林家いっ平が新橋演舞場で「勧進帳」を披露するなどして、過去最高の5万5000人(主催者発表)を動員した。
この落語祭は、春風亭小朝、笑福亭鶴瓶、正蔵、立川志の輔、春風亭昇太、柳家花緑の「六人の会」が立ち上げたもので、04年から開催。会の発足(03年)前には桂枝雀、古今亭志ん朝、柳家小さん(五代目)と大看板が次々に世を去り、落語界に危機感が高まっていた。
落語祭は多彩なプログラム、安価な入場料設定などで、落語に縁遠かった人々も呼び寄せた。また、上方勢の大挙出演は、彼らに自信をもたらしただけでなく、東京勢への刺激にもなった。
今後の展開としては、来年10月に宮崎県で「宮崎大落語祭」を開催する。小朝は「前々から落語祭を地方で開催したいと思っていた」。【油井雅和】
毎日新聞 2008年7月28日 東京夕刊