社会
割安エコ燃料の人気急上昇 原油高で 姫路の障害者施設
BDF製造に携わる施設利用者と職員ら=姫路市飾東町大釜、姫路学園 |
姫路市の知的障害者施設が、兵庫県内で市販に乗り出した軽油代替燃料「バイオディーゼル燃料(BDF)」に原油高の思わぬ追い風が吹き、人気を集めている。家庭や飲食店の天ぷら油など食用廃油を再生し、1リットル85円で販売。小売価格が130円を突破した軽油との差は開くばかりで、自治体に加え物流業界などコストに敏感な民間企業が次々と導入し始め、追随する福祉施設も現れた。担当者は「造っても造っても追い付かない」とうれしい悲鳴を上げ、原料となる廃油の提供を呼び掛けている。(直江 純)
昨年八月、約八十人が利用する「姫路学園」(姫路市飾東町大釜)が、環境への負荷が少なく、製造や配送時の作業が障害者の職業訓練に適しているBDFに着目、約三百五十万円の製造機を導入し販売を始めた。
県内では伊丹、淡路市などの自治体や豊岡市内の産業廃棄物業者なども手掛けるが、いずれも所有する車への利用などが多く、市販では同学園が草分け的な存在。加西市や姫路市など賛同する自治体と契約し、給食などの廃油を一リットル一円で譲り受け、製造した燃料を販売している。
軽油は今春から急激に高騰。大口事業者向けは一般の小売りより安いとはいえ、製造開始時の九十円台が、現在は約百十円前後に跳ね上がった。BDFは当初、品質のばらつきや安定供給に課題があり、民間からは敬遠されがちだったが、改良が進んだこともあって原油高に苦しむ物流業界が関心を示し、同学園の販売先は百貨店の配送子会社など約二十社に増えている。
トラック二台分にあたる月約七百リットルを購入する地元運送業者は「馬力も燃費も軽油と遜(そん)色(しょく)なく満足」と話す。
神戸市北区の障害者施設でも今秋から製造が始まるなど好調の余波が広がる一方で、廃油の確保が追い付かないという問題も浮上。飲食店などを営業で開拓しているが、集まる廃油は月八千リットル程度にとどまっている。
栄藤岩夫事業部長(52)は「多くの事業所では廃油を再利用する先が既に決まっている。一般家庭からの回収を増やし、地球温暖化防止に貢献したい」と、廃油を提供してくれる団体を募っている。姫路学園TEL079・262・0176
バイオディーゼル燃料 食用廃油の不純物を除去し、メタノールと反応させた軽油の代替燃料。トラックや重機などディーゼルエンジンに使え、1リットル当たり32.1円の軽油取引税が免除される。燃焼時に出る二酸化炭素は原料植物が育つ際に吸収したとされ、地球温暖化の原因とはみなされない。排ガス規制対応の新型エンジンには使えないなどの課題もある。
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