トヨタ自動車は28日、08年の世界販売計画(子会社のダイハツ工業、日野自動車を含む)を当初計画の985万台から950万台に35万台下方修正すると正式発表した。米国景気の失速やガソリン高で、世界的に新車市場が冷え込んでいるため、トヨタが世界販売計画を下方修正するのは子会社分も含めた現行の方式で公表し始めた02年以降で初めて。
トヨタはここ数年、販売台数を毎年10%近く伸ばしてきたが、今回の下方修正後の950万台は前年比1%増とほぼ横ばいで、トヨタも他の自動車大手と同様に苦戦している状況が鮮明になった。
世界販売全体の9割を占めるトヨタ単独の販売も当初計画の884万台から850万台に下方修正。とくに、燃費の悪い大型車の不振が顕著な北米販売は当初計画の284万台から267万台(前年比5%減)に引き下げた。欧州向けは127万台から119万台(同4%減)、日本を除くアジアも158万台から152万台(同14%増)に下方修正。オイルマネーで潤う中東だけは、当初の51万台から59万台(同23%増)に上方修正した。
子会社を含む国内販売計画も227万台から223万台(同1%減)に下方修正した。09年の世界販売計画(1040万台)についても「修正するか検討中」(広報)という。
販売計画の見直しに伴い、08年の世界生産計画も当初の995万台から950万台に引き下げた。トヨタは北米で大型車工場の一時停止を決めるなど生産体制の見直しを急いでいる。【宮島寛】
毎日新聞 2008年7月28日 20時08分(最終更新 7月28日 21時07分)