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日焼け大会「体に有害」
2008年07月28日
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夏は毎年、日焼け大会が開かれている大野海水浴場=常滑市大野町1丁目 |
《常滑・大野海岸》
●中止求める声
「小麦色の肌が健康的というのは過去の時代。子どもたちを真っ黒になるまで日焼けさせるのはやめて」――。常滑市大野町1丁目の大野海水浴場で毎年恒例になっている「日焼け大会」について、地元住民から「紫外線の浴びすぎは、健康に有害だ」と、中止を求める声が上がっている。(佐藤仁彦)
日焼け大会は毎年、同市観光協会大野支部(支部長=伊藤史郎市議)が主催している。夏休みを海で楽しむ小学生の中から、肌がこんがり日焼けした子どもを選び、1〜3位には表彰状と盾を贈っている。
今年の日焼け大会は、8月10日午後1時から開催予定。観光協会の観光パンフレット「とこなめの海」にも掲載している。
住民から日焼け大会の中止を求められた市商工観光課では、「すでに市の広報紙で告知してしまったので、いまさら中止は難しい。紫外線の問題について指摘があったことは、主催者の観光協会にも伝えたい」としている。
一方、観光協会の伊藤支部長は「毎年、親子に喜んでもらっていた行事で、これまで苦情はなかった。日焼け大会を来年以降も続けるかどうかは、次の役員会で話し合い、検討したい」と話す。
神戸大の市橋正光名誉教授(皮膚科学)によると、日焼けした子どもの肌が健康的というのは誤った認識だという。長時間、紫外線を浴びたことで真っ黒になった日焼けは、皮膚の老化を招き、皮膚がんの原因になると指摘する。
「日焼けの健康リスクは、世界保健機関(WHO)も警鐘を鳴らしており、不勉強としか言いようがない。市民の健康を守る立場にある行政は、日焼け大会をやめさせるべきだ」と話している。
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