自宅の部屋に畳んで積んでいた布団の上から、生後半年の次男が落っこちた。抱いてあやしていたのだが、洗面所へ行くために「30秒ぐらい大丈夫だろう」と高さ50センチほどの布団に置いた。用を済ませ、戻る途中。次男が寝返りしてくるっと回転し、畳へ落ちるのがスローモーションで見えた。しばらく胸が痛んだ。
京都市子ども保健医療相談・事故防止センター「京(みやこ)あんしんこども館」によると、全国の1~4歳児の死因(06年)は不慮の事故がトップ。内訳は交通事故(33%)が最多だが、溺死(できし)(24%)、窒息(18%)、火関連(10%)、転落・転倒(7%)と続く。溺死のほとんども風呂の浴槽なので、家庭内での事故が6割を占めるという。
04年に設立された同センターは、子育てアドバイスや事故防止の情報を発信する国内初の公的機関。センター長の澤田淳さんは「風呂や台所など家庭は危険がいっぱい。でも、大半の事故はわずかの注意で防げる」と訴える。
さらに、肝心なのは「夫が妻を支えること。子育ては夫婦2人で」とも。耳が痛かった。【佐竹義浩】
毎日新聞 2008年7月28日 大阪夕刊