カンブリア宮殿・社会起業家SP〜大企業ができることとは?
7月21日放送のテレビ東京系「カンブリア宮殿〜社会起業家SP」は、社会貢献に関心の高い人たちの間では大きな話題となりました。
この特番では、フェアトレード・カンパニー(ピープル・ツリー)のサフィア・ミニーさん、かものはしの村田早耶香さん、フローレンスの駒崎弘樹さんの三名が登場。まあ、妥当な人選でしょうね。
この番組の後半では、スタジオの参加者が出演者に質問するコーナーがあります。なかなか鋭い質問もあったので、自分だったらどう回答するか、考えてみました。
最初の質問は、こんな感じです。
「大企業が途上国に対してフェアなビジネスを展開するとしたら、具体的にどうすればいいか?」
この質問に対して、僕ならこう答えます。
大企業がやるべきなのは長期投資です
大企業とNPOや若い社会起業家の最大の違いは資本力です。
つまり、大企業に出来てNPOや社会起業家に出来ないことは、長期投資です。
フェアトレードに限らず、途上国の支援活動する場合、最も大事なのは、現地の人々の意識改革です。
途上国の子どもたちに教育の場を提供したいと考えた場合、学校を建てたり、奨学金を提供するだけでは不十分で、現地の親たちに、子どもは学校に行かせるべきだということを説得する必要があったりします。
フェアトレードの場合は、生産者にプロ意識を持ってもらう必要があったりします。
その上で、スキルを習得してもらう必要があります。
つまり、事業が成長軌道に乗り、利益を生み出すまでは時間がかかるのです。
サフィア・ミニーさんも番組の中で、
「現地の人々がスキルを習得する前までに3〜5年はかかる」と言ってます。
多くのNPOや社会起業家は資本力が無いので、利益を生み出すまで3年間は、非常に苦しいわけです。
しかし、大企業であれば、たとえば5年後に黒字になればよいと決めれば、そこまでの赤字には耐えられます。
設備投資もできるし、人材育成投資も出来ます。
さらに、成長期の投資も可能になります。
実は、事業の大きな成功のためには、スタート時期の投資より成長期の投資の方が重要だったりします。
事業の開始当初は、個人の資金でなんとかなっても、売上げが伸びて社員も増えて販路も広くなってくると、必要とする資金も億単位になったりして、個人では対処できなくなったりします。
しかし、成長期に適切な投資をしないと、事業は大きく伸びません。
他にも、販路の拡大とか、人材の投入とか、大企業でなければ難しいことはいろいろありますが、こういうことも含めての投資。これが大企業にしかできないことです。
というわけで、大企業がやるべきことは、フェアなビジネス・マインドを持った起業家に対して大きく投資すること。または、社内でそのような人材を見つけるか育てるかして、社内ベンチャーとして育てること。
一方、社会起業家も、ある程度、事業が大きくなったら、資金、販路、人材などの面で、大企業やVCとの提携を考えるべきだと思います。
その方が事業の成長スピードも上がる。
途上国支援には、スピードが大切なのです。(竹井)
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