子供の病気に落ち着いて対処できるよう、新米パパやママに対処方法を伝授する講座が川口市で開かれた。市立医療センターの医師が講師を務め、父母約40人が参加。救急病院に行くかの症状の目安が説明されると、父母らは熱心にメモを取っていた。
母親の会「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達の会」(阿真京子代表、事務局・東京)の企画で、26日に市立中央ふれあい館で開催した。同会は子供の病気に対する親の不安を減らそうと、小児医療を学ぶ場所づくりに取り組んでいる。県内在住のメンバーの働きかけで、都内以外で初めて講座を開くことになった。
川口市立医療センター小児科の下平雅之部長が、発熱や下痢など子供に多い症状について、病院にかかる目安や有効な対処方法を説明。「子供の機嫌など全身状態をよく見て」とアドバイスした。近ごろ軽症患者が救急に殺到し、重症患者を十分に診察できない事態が問題化しており、「ふだんから相談できる『かかりつけ医』を持ち、子供の病気を勉強することも大切」と説いた。
「けいれんは必ず救急車を呼ぶべきか」「兄弟での風邪のうつし合いをどう防ぐか」など質問も多く飛び出し、下平部長が丁寧に答えた。参加した1歳の男児の父、末永浩一さん(32)は「子供のけいれんに少し心構えができた」と満足そうだった。
講座終了後、下平部長は「もっと日常的に医師と親が話し合える場が必要」と感想を述べ、阿真代表も「地域の医療は地域で考えることが大事」と親たちに活動参加を呼びかけていた。同会への問い合わせはEメール(iryo_000@yahoo.co.jp)。【稲田佳代】
毎日新聞 2008年7月28日 地方版