特定医師の“排除”も/謝礼金問題で揺れる横浜市大

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特定医師の“排除”も/謝礼金問題で揺れる横浜市大

 医学博士の学位取得をめぐる謝礼金授受問題が、横浜市立大学(同市金沢区)の足元を揺さぶっている。大学院への看護学専攻の設置申請は、この問題の余波で一年間先送りを余儀なくされ、“渦中”の前副学長は定年を前に大学を去る決意を固めた。学内の人間関係も険悪化する一方で、不協和音は市大病院の診療現場にも影を落としている。

 「看護学専攻」は、医療の高度化や専門化に伴って求められている「専門看護師」の育成などを目的に同大が医学研究科への新設を計画。来年四月の設置を目指し、申請が締め切られる五月末、文部科学省に手続きする予定となっていた。

 ところが、学位謝礼金授受問題が表面化した三月中旬以降、同大はこの対応に忙殺されて準備が停滞。さらに、五月中旬に同問題が国会で取り上げられたことで、市大への逆風は一層強まった。

 結局、市大は「この問題が解決していないこの時期に申請するのはタイミング的にも好ましない」と判断。文科省への申請手続きを一年先の来年五月へ、新設の目標も二〇一〇年四月といずれも一年間先延ばしせざるを得なかった。

 一方、内部告発が発端の同問題は、学内の人間関係もきしませている。

 七月二十六日には、前副学長の奥田研爾教授が布施勉学長に「退職」の意向を電話で伝えた。「専門のエイズ研究に専念したい」というのが表向きの理由だが、親しい関係者には「金品の要求も受領もないのにあったと疑われ、疲れ切った」と漏らしているという。

 診療の現場も例外ではない。学位取得者から総額三百万円の現金を受け取ったことが判明している前医学部長の嶋田紘教授。同教授は消化器病態外科を率いているが、内部告発に絡んで特定の医師が二月下旬以降、手術から外される事態に発展。自分の紹介患者ですら手術を担当できない例があり、患者から病院にクレームが寄せられたという。

 同問題は横浜市会でも話題となり、七月上旬の委員会で市当局は「(ギクシャクした人間関係によって)患者に迷惑をかけることのないよう指導したい」と答弁。医師の“排除”は「憂慮すべき事態」との認識を示している。

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