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独島:15兆円以上の「海の宝」が眠る独島近海(下)

◆韓国の技術で海の宝を掘る 

 イ教授のチームは2006年に、メタンよりも水分子との結合力が強い窒素・二酸化炭素をメタンハイドレートに注入し、自然にメタンを取り出す方式を提案した。すなわち、窒素・二酸化炭素が水分子の中に閉じ込められているメタンを押し出し、メタンの代わりに水分子の中に取り込まれるようになる、というわけだ。押し出されたメタン分子は、パイプを通じ地上に抽出される。

 深海のメタンハイドレートからメタンを得ようとして大規模な採掘を行えば、地盤沈下や海底崩壊を引き起こすおそれがある。独島近海のメタンハイドレートを開発することで、深海の鬱陵盆地(対馬盆地)の崩壊を招く可能性がある、という分析もある。イ教授は、大気中に無尽蔵にある窒素や地球温暖化の主犯・二酸化炭素を海に注入、代わりに有用なエネルギー資源であるメタンガスを抜き出す手法を取ることで、こうした問題は解消されると期待している。

 イ教授は昨年、この技術に関する韓国国内での特許登録を終えた。現在は米国や日本で特許審査中だ。また今月2日には、この技術があらゆる構造のメタンハイドレートに応用できるという事実を明らかにし、国際学術誌『Energy & Fuels』に発表した。

 これまでは、イ教授の技術は構造1型のメタンハイドレートで実験的に検証された段階だった。しかしイ教授のチームは、構造2型・構造H型のメタンハイドレートでも自分たちの技術でメタンを分離することに成功した。今回の研究により、イ教授のチームが開発したメタン採集技術が全世界10兆トンのメタンハイドレートに適用できる、という事実が新たに確認されたわけだ。イ教授は、「2014年までに東海でメタンガスを安全に採取することを目標している」と語った。

チョ・ホジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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