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日本脳炎流行の恐れ ワクチン未接種 ブタから抗体 (2/2ページ)
■施策見直しも
中原英臣・新渡戸文化学園短期大学学長の話「予防接種には国民の命を守るとともに、集団を守るという2つの目的がある。個人重視の世の中となり、集団を守るという前提がなくなってきている。厚生労働省のシミュレーションは上手くない。もう少し、医学的視野に基づいた対応をすべきだった。予防接種をしない世代が感染し、大学封鎖まで起きた、はしかのように感染が広がる可能性を秘めている。患者が多く発生するなど、流行の兆しが見えたら現在の施策を見直す必要がある」
■日本脳炎 ブタの体内で増えたウイルスを蚊が媒介して人に感染する。昭和30年代には年間2000人以上の患者が出たが、平成4年以降は10人以下に。高熱症状が脳炎にまで移行した場合、死亡率は20〜40%と高い。予防接種後に女子中学生が副作用で寝たきりになり、平成17年5月、厚労省は全国の自治体へ接種の積極的推奨を中止する通知を出したが、副作用の発生頻度やワクチンの有効性などから通知に疑問の声も出ている。