【ブリュッセル=井田香奈子】仏ストラスブールで開会中の欧州連合(EU)の欧州議会は10日、イタリア・ベルルスコーニ政権が移民規制策としてロマ人の指紋を採取する方針を明らかにしたことを批判し、差別的な政策をやめるよう求める決議をした。
決議の中で同議会は、イタリアやハンガリーなどでロマ人が人種差別の主たる対象になっていると指摘。欧州人権条約に違反するとして、伊政府に指紋採取をやめ、すでに集めた指紋については使用しないよう求めた。
イタリアではロマ人が集団で暮らす国内のキャンプについて一部閣僚らが「犯罪の巣だ」と語り、その人口調査と子供を含む全住民からの指紋採取を、南部ナポリなどで始めている。マロニ内相は10日、欧州議会の決議に対し、「イタリア政府は最後までやり抜く」と方針に変わりがないことを強調した。