厳しい暑さが続く県内で、今月１日から２５日までに約２５０人が熱中症の疑いで病院に搬送されていたことが２６日、各消防本部の集計で分かった。このうち２割は屋内で発症しており、２４日には瀬戸内市の５０代男性が自宅で熱中症とみられる症状で死亡。屋内だからと油断することのないよう、医師らが注意を呼び掛けている。

　県内１４消防本部によると、熱中症とみられる症状で搬送された患者は計２４６人。このうち５９人（２４％）が自宅や物置、体育館などで発症。死亡した瀬戸内市の男性のケースのほかにも、居間やトイレで意識不明で見つかった重篤な例もあったという。

　一方で、岡山市消防局管内で屋内から搬送された２２人中８人は、日中も安静にしていたにもかかわらず発症。１人を除き６５歳以上の高齢者で、冷房を使用せず閉めきった部屋にいたり、長時間水分を取っていなかったとみられる。

　岡山済生会総合病院（岡山市伊福町）の繁光薫救急科医長は「高齢者は体温調整機能の衰えから、屋内でも予想以上に体への負担が大きくなりがち」と指摘。「のどが乾いたと感じてからでは遅い。しっかり換気した上で、こまめに水分補給することが必要」と話している。