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ここから本文エリア 県内雑誌「たぁくらたぁ」新装2008年07月26日
04年4月創刊で、県内全域を対象とする地域雑誌「たぁくらたぁ」が、現在発売中の14号から新装された。版画家森貘郎さんの作品を使っていた表紙を写真に代え、中も写真を増やして読みやすいレイアウトにした。環境や食、平和、住民自治をテーマにする路線は変わらないが、「地方から全国に発信する雑誌としてもう一皮むける」ことを目指す。 新装後、最初の巻頭特集は「チベット、自由への祈り 長野・聖火リレーが問いかけたもの」。発行人の野池元基さん(50)は長野市で4月にあった北京五輪聖火リレーの際、「チベット問題を考える長野の会」代表として、善光寺での法要や集会を企画した。リレーの1カ月半前に突然、チベット問題にかかわるようになったいきさつ、マスコミに報道された「騒動」や「混乱」とは別に、淡々とデモをした在日チベット人の様子などをリポートする。 ほかに、「叶(かな)うことならお百度参り――チベット聖山巡礼行」の著者で、当時の集会にも駆けつけた作家渡辺一枝さんのインタビューやチベット問題を理解するための本の紹介などを載せた。 「あの騒ぎを通して県民は現代史の一断面を見ることができた。騒ぎが過ぎ去った今こそ、チベットで起きていることの背景を学んでほしい」。野池さんは特集の狙いを、こう話した。 もう一つの特集「田中康夫の落とし物 あれから何が変わったのか?」は誕生から間もなく2年になる現県政の検証だ。前県政とはがらりと内容の変わった「廃棄物条例」と「地球温暖化防止県民計画」を取り上げ、「村井県政の実像」を考察。前県政で副知事を務めた阿部守一・横浜市副市長のインタビューもある。 秋に発売の次号では、住民投票の結果、自立の道を選んだ小川村を特集し、自治の問題を掘り下げる予定だ。 「たぁくらたぁ」とは「馬鹿者」「おっちょこちょい」を意味する信州の方言。同誌編集部には、陶芸家や障害者施設職員、大手出版社の元編集者らがボランティアで参加する。 新装後も、季刊とA5判の大きさ、価格400円は同じ。13号までは毎号1000〜1300部が売れた。「地域の話題だが、全国に共通するテーマを拾っていく。新しい筆者も開拓したい」と野池さん。発行元はオフィスエム(026・237・8100)。
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