世羅郡医師会と公立世羅中央病院は二十四日夜、広島大の河野修興医学部長=写真=の講演会を世羅町本郷の同病院で開いた。
町内の医療関係者、住民ら百人が集まった。河野部長は「医療からみた日本再生の方法論」の演題で(1)最近十年間に救急病院が県内で半減(2)公立病院の75%が赤字―などの危機的実態を提示。勤務医たちの厳しい労働環境にも触れた。
背景として、国民総数に対する医師数が先進国中最低レベルにある構造的問題点を指摘。「二〇〇四年から始まった新医師臨床研修制度による大学医局の衰退が危機を深めた」などと述べた。また、「病院削減へかじを切る日本の医療制度は、高齢化による入院人口がむしろ増えていく予想に対応していない」との見解も示した。(梅原勝己)
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