2008年07月27日
いやな勉強は、人に教える立場に無理矢理なると効率的
大学でのノートビジネス
今日も今日とてネットサーフィンしていたらこんな記事を。
そんな僕の大学ではテスト前になると講義ノートが非公式に販売される。事前に、ノートをコピーさせてくれる人には2万円あげるから綺麗にうつしておいてね、みたいな感じのバイトの広告が生徒に配られていて、それを販売しているようだ。これは他の大学でもあるのかはわからないけど、うちの大学では結構あたりまえのことらしく、ほぼ全ての生徒がその事実を認識している。
テスト前に講義ノートを売るというビジネスがおもしろい
これいいですよねえ。
おいらなんて、経済とかあまり興味なく、しかも数学もできない、いや、そもそも大学で勉強するモチベーションも低かったので、試験前にノートを買いあさるダメな学生でした。だいたい3000円とかだった気がします。
ちなみに以下のような意見もあります。
「時間を節約させる」ソリューションをお金で売るのは正当なことであって、ビジネスの基本ですらある。世の中には、お金を出して時間を買いたい人がたくさんいる。
半年の授業に出なくても、それだけ見れば試験に通るようなノートをまとめられた人がいれば、それはそのノートの作者がそれだけ優れているのであり、対価を受け取るに値する。
大学の講義ノートを売るビジネス - Zopeジャンキー日記
こんなのを読んでいて思ったのが
「ノートを買って効率よく勉強した人より、きっとノートを売ってた人は勉強が身にもついていて、お金も儲かっているから賢いよなあ」
ということでした。
というわけで、それに似た僕自身の話を思い出したので、書いてみます。
政経infoboxの想い出
政経infobox - 早稲田大学政治経済学部
というサイトがあります。
早稲田の政治経済学部の人ならほぼ全員知っている、しかしその他の人はあまり知らない、という非常にニッチなサイトです。
内容としては大きく
・授業、先生の評価
・試験問題に関するコミュニティ
になっています。
試験前になると、ほぼ全員が見ているんじゃないかっていうほどにぎわっていました。僕が入学したのが2001年で、その時代からもはや定番サイトになってたくらいです。
僕もテスト前にはこのサイトに張り付いて、ずっと模範解答や試験情報がないかリロードしていました。
楽しくないと勉強できない
前述の通り、大学時代の僕はとにかく勉強をしない。しないとどうなるか、というと単位がとれない。すると留年したり、退学しなきゃいけなかったりします。
友達からノートをもらうとかだけで出来ればいいんですが、ノートがあるのにろくに勉強しなかったりするからタチが悪い。
試験前日になって、泣きそうになって政経infoboxを眺めるのですが、試験問題の予想や模範解答のような都合のよい書き込みはなかなか現れないのです。
たとえば松本先生という人のマクロ経済学という授業があったりして、これが非常に難解で、授業でていなかった僕は途方にくれていました。
その年から授業だったので前年度の情報もない。必須科目だから落とすわけにはいかない。
留年を覚悟しはじめた深夜1時くらいにふと
「勉強しても興味がないからつまらないなら。勉強するのがおもしろかったらやるんじゃないかな!」
と思い立ちました。
人に情報を提供する勉強法
でもマクロ経済学をおもしろくするのはなかなか思いつかない。というか深夜なので手段も限られています。
そこでひらめいたのが「模範解答とかを掲示板に書く人になる」ということでした。模範解答とか書けば、きっとみんなから感謝されるし、感謝されたらうれしくてもっと勉強するんじゃないかと。
試験前であたふたしている、顔も知らない仲間にたいして情報を共有するというのは、すごく楽しいことなので、さっそくがんばって1時間くらい勉強してみて、予想問題と模範解答を作って投稿してみました。
松本正信マクロ!!!@政経infobox - 早稲田大学政治経済学部
110: 名前:けんすう投稿日:2003/07/18(金) 02:31
1:ハロッド・ドマーの成長理論について説明せよ
ハロッド・ドマー理論を考える上で、基本的な前提条件となるのは「一財経済」を考える必要がある。一財経済というのは一種類の財貨やサービスしか生産されない国民経済で、その財は消費のためにも投資のためにも自由に使えるという経済のことである。またこの財を生産するために、資本と労働とが生産要素として使われており、労働も同質的な労働から構成されていると考えることにする。
このような単純化された経済モデルの上で、以下のような条件が満たされているとする。
労働者は総人口の一定比率であり、また労働供給の増加率は一定とする。この増加率をVとする。また、産出量1単位当たりに必要な労働および資本の量は一定不変であるとする。
その上で、その財の産出量1単位当たりに必要な資本比率を資本係数(v)とする。
また、国民所得のうち、消費されないで貯蓄されて、投資の回る比率を平均貯蓄性向(s)と呼ぶ。
国民所得のうち、s(平均貯蓄性向)だけ貯蓄され、投資に向けられるとすると、資本貯蓄に伴う産出量の増加はs/vであり、また国民所得の増加率はs/vであり、資本ストックの増
<省略されました> [全文を見る]
こんな感じ。今みると頭良さそう!
これを作るための所用時間は1時間ほど。今まで何時間も勉強しても頭に入らなかったものが、この作業をやるとすぐに頭にすらすら入ります。
人に情報を提供する勉強法
111: 名前:名無しさん 投稿日:2003/07/18(金) 02:37
な、何が起こったんだ突然!?
模解が空から降ってきた!!!!!!!
>>110は神様ですか?
丸暗記いたします。
113: 名前:しんた 投稿日:2003/07/18(金) 02:45
やった〜!!今日もけんすう君参上!
社会保障論に続き今日も模解ありがとう。
君は真の神だYO!
114: 名前:名無しさん 投稿日:2003/07/18(金) 02:47
110さんマジ神!
やさしい人っているもんだな〜(^3^)
ってな感じで盛り上がります。
褒められるとうれしいので、がんばります。
117: 名前:けんすう 投稿日:2003/07/18(金) 03:05
新古典派の模解を作ろうと思ったらこれむずいっすね。
ハロッド=ドマーの成長理論と新古典派の違いを説明せよ、とか言われたら、
>>110のを書いたあとに
「ハロッド=ドマー型の一財経済モデルでは資本係数vの固定性が重要な前提だった。
しかしこの固定性は極めて制約的な条件であって一般には妥当しない仮定である。
そこで資本係数vの固定性を仮定しないで、資本と労働との間に代替性を持たせ、
もっと一般的に妥当するような生産技術を前提とした理論が新古典派の成長理論である。」
とでも書けばなんとかなる気がしてきました。
118: 名前:けんすう 投稿日:2003/07/18(金) 03:12
たぶん問題は
1:カルドアの「定型化された事実」とは何か説明し、
それがはたして実現されるかどうか考察せよ
2:技術進歩について考察せよ
3:ハロッド=ドマーの成長理論について説明せよ
4:新古典派の成長理論について説明せよ
とかしか出しようがないと思うんですね。
なので、3だけをやるってのも一つの手かなぁ、、と思ってたりします。
こんな感じです。「みんなのためにがんばらなきゃ!」みたいな変な使命感に燃えて一生懸命になります。
しかし頭よさそうなふりを必死でしているのですが、これ、さほど理解はしていないんですよ。
でも教える側というプレッシャーがあるので結構一生懸命、教科書やノートを見たり、Webで調べたりはするわけで、理解度は勉強前に比べると格段にあがってはいます。
で、予想問題の結果はどうだったかというと、的中しました。
143: 名前:名無しさん 投稿日:2003/07/18(金) 15:45
41さんとけんすうさんのおかげで書けました!
145: 名前:けんすう 投稿日:2003/07/18(金) 16:25
まんま出ましたねぇ、、、
という感じで。自分一人では勉強しなかったものが、人に(半ば無理矢理)教えることで理解するという勉強法です。
人に説明する勉強法というのは、一番効果的らしいです。人に説明するときは理解をしていないと出来ないですからね。
こういうのを投稿してから、いろいろな人にマクロ経済について聞かれるようになってしまって、答えるために必死で勉強したりするという変なスパイラルに入ったせいで、マクロ経済学はそこそこの成績で単位が取れました。めでたしめでたし。
何がいいたいか
大学時代、たまには勉強してたんだよ、、、というアピールでした。
※関係ないですが、先日、初対面の人に「松本マクロののときはお世話になりました!」と言われてびっくりしたりしました。
おすすめ本
勉強法なら以下の本がすごくすごくおすすめです。高校生のときにこんな本が欲しかった・・・。「海馬」を書いている池谷先生の本です。
高校生用と書いてありますが、大人の勉強にも使えますね。脳の専門家が書いているだけあって、非常に科学的です。
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