昨日に引き続き、セカンドオピニオンの話。
ここ最近、私は自分の職場で実施しているデイケアに関わるようになりました。
私が外来で診療している患者さんがセカンドオピニオンを受けたいと思っていらっしゃるかどうかは私にはわからないし(セカンドオピニオン受けたい、って主治医本人に打ち明ける患者さんってまずいらっしゃいませんよね)、あんまりセカンドオピニオンについて考えることもなかったのですが、デイケアを担当するようになってから意識する機会が増えてきたように思います。
デイケアに通ってこられる患者さんは、うちで診療を受けていらっしゃる方もありますが、大半はデイケアのた めに他の病院やクリニックから紹介されて来ておられて、診療はそのまま元の主治医のところで受けていらっ しゃるのです。
なので、デイケアの場面で患者さんやご家族から主治医の診察の経過や様子などの話題が出ることも少なくなくて。
たぶん多くの患者さんやご家族にとって、初めて出会う「主治医以外の精神科医」である私。
診断のこと、お薬のこと、診察時間や待ち時間のことなどなど、主治医の診療についての疑問をいろいろ聞か せていただくことがとっても多い!
私もこの地域のすべての先生方のお人柄や診療状況を詳しく知っているわけではないですし、お答えできないこともたくさんあるのですが、主治医の先生はおそらくこういうお考えでこういうふうになさっているのではないか、といったことを一般論の範囲で説明させていただいたりしています。
そんな中で感じるのが、主治医に聞いてみたいことを聞けずにいらっしゃる患者さんが案外多いのだなぁ、ということ。
診察時間を長びかせてしまいそうで聞くのを我慢してしまう、先生が「診察終わり」な雰囲気を出しているので質問を切り出せない、こんなことを聞いたら失礼なんじゃないかと躊躇ってしまう、聞いても答えてもらえないんじゃないかと不安、…などなど。
なるほど、お気持ちはよくわかります。精神科医を気遣っていただいているのもとてもありがたいです!
でも。
納得いかないまま治療を続けたり、納得できないけれど薬を飲んでいたり(納得できないから処方どおりには飲んでいなかったり…もちろん主治医に内緒で)、っていうのは患者さん自身にとって決していいことじゃないのになぁ、と思ってしまいます。
遠慮なく聞いたらいいんです。
どうして先生は私の診断を○○だと思ったのか?
なんで先生は今回薬を増やそうと思ったのか?
最近こんな症状があるけど、薬の副作用なのか? 対処法はあるのか?
職場から、学校からこんなことを尋ねられたけど、何と答えておけばいいか?
…などなど。
もちろん1回の診察で次々と質問攻めにされたら主治医の先生は困られるかもしれませんが、「今日は最後に先生にお聞きしたいことがあるので」と入室早々予告するとか、緊張してうまく聞けそうになければ質問をメモにまとめていくとか、あまりにも質問の時間が足りなさそうなら質問項目だけ渡して「次回の診察の時に答えてください」と伝えるか、…。自分ひとりで難しければ、ご家族にも一緒に受診していただくという作戦もあります。
そもそもしんどいこと、つらいことがあるから通院しているのに、診察そのものがさらにストレスになるなんてバカバカしい話。
患者さんには、自分の治療について主治医に質問する権利があるし、主治医には自分が行っている診療についてきちんと患者さんに説明する責任があるはずです。
セカンドオピニオンは、こうして主治医に質問してみてもどうしても納得いかなかったときに初めて検討してみればよいのではないでしょうか。
だって、まったく知らない精神科医を訪ねて、また一からこれまでの経過を話すなんて、これまた莫大なエネルギーとストレスが発生することですし。
せっかく受けている治療…まずは上手に今の主治医に頼って、より有効により有意義になるよう工夫してみてくださいね!

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