徳島大学病院(徳島市蔵本町2)で顎(がく)変形症の治療を受けた際、あごに後遺症が残ったのは医師が適切な処置を怠り手術中に骨折を生じさせたためとして、徳島市内の女性(41)が約2200万円の損害賠償を求めた訴訟は、同大学が金を支払うことで25日、和解が成立した。
原告代理人によると、女性は歯列矯正の治療で99年から通院。顎変形症と分かり、04年12月に下あごを後退させる手術を受けた。担当医は骨が薄い部位と認識していたのに慎重に行わず、右あごの付け根部分を骨折させたとされる。後遺症で女性は現在も口が大きく開かず、ワイヤで下の歯を固定しなければならない状況という。
5月16日に徳島地裁(黒野功久裁判長)が和解を勧告、双方が合意した。和解金額や内容は非公表だが、原告側によると、争点となっていた医師の過失については条項に盛り込まれていない。女性は「裁判が長引くのを避けるために和解したが、納得はしていない。対応にがっかりした」と話している。
同病院の香川征院長は「勧告後、協議した結果、本日和解致しました。その他具体的なことを申し上げるのは差し控えさせていただきます」とコメントした。【井上卓也】
毎日新聞 2008年7月26日 地方版