北京オリンピック開幕まであと2週間となりました。災害や暴動など様々な問題を抱える中、中国ではナショナリズムの高まりを受け、あるブームが起きています。
オリンピック開幕直前の北京。ここに来て急増しているのが、中国の国旗「五星紅旗」です。いま北京の街では、小さな中国国旗をつけた車が増えています。
インターネット上には、国旗の正しいつけ方を紹介するサイトまで登場しました。
「祖国である中国が好きです。五輪頑張れ。中国頑張れ」
「五輪は百年越しの夢です。祖国が繁栄し、強大になってほしい」(車に国旗をつけている人)
国の威信をかけたオリンピックを控え、一段と高まるナショナリズム。新聞にはこんな見出しが躍っています。
「サルコジ大統領、中国に投降」「ボイコット国、残りわずか」(新聞の見出し)
3月、チベット暴動の武力鎮圧をめぐり欧米各国に広がったボイコット論。8月8日の開会式にはいったん欠席を示唆したサルコジ大統領ら80人以上の国家元首や首脳が一堂に会し、出席者は史上最多となる見通しです。
「中国の国力が強いからですよ」(中国の人)
中国の人たちは、これを国力アップの表れと誇る一方、自らの人権状況を省みる声はほとんど聞かれません。国際社会にくすぶる不安をよそに、中国のナショナリズムは、オリンピックの開催で最高潮に達しようとしています。(26日11:50)