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2008.07.25 23:06 |  診療  |  NINA  | 推薦数 : 0

試問のような診察?

ちょっと前のことですが、ちょっと珍しい患者さんがお見えになりました。
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セカンドオピニオン希望の中年男性。

これまで10年以上同じ精神科医にかかっていたのですが、最近になって主治医が「私の診断は間違っていた」と診断名を変更したというのです。
もちろんお薬も変更になったそう。
しばらくはそれでも状態がよかったけれど、だんだんいい状態の日がなくなってしまって。
新しい診断も受け容れ難いし、薬が合っていないんじゃないか…と、心配した母親の勧めでセカンドオピニオン受診をしてみようということになったのだそう。


ここまでは、まぁ普通にセカンドオピニオンを求めてらっしゃるのかな、と思えるのですが。

「先入観を持たずに診断してほしいので、元々の診断名も新しい診断名も服薬内容も一切明かさない」とおっしゃるのです。
今受診している先生の名前さえナイショのまま。

お気持ちはわからないではないけれど、ちょっとこちらとしてはやりづらいかなぁ、と(笑)…。
病歴を聞いた時点でふたつの診断名はおおよそ予測がつきましたが(最後には診断名も処方内容も教えていただきましたが、やはり予想どおりでした)、結局何を求めていらっしゃるのかが今ひとつよくわからず、どういう方向でお話をすればいいのか、さぐりさぐりの診察となりました。

結局、こちらの思う診断をお伝えして、今後の治療について多少の助言をさせていただいて終了。


この患者さんのおっしゃるとおりの精神科医がいるのだとしたら。

いくらなんでもちょっとひどいんじゃない? と言いたくなります。

でも、今回は患者さんとご家族の訴えを一方的にお聞きしただけなので、主治医の先生が患者さんの思ってらっしゃる理由だけで診断変更をして今の処方に変えられたのか、といったところがよくわからないので、いろいろな結論を保留とするしかないのですが。


なんだかいろいろ考えさせられるケースでした。

私自身はまだまだ若手のつもりですが、超ベテランの域に入っても常に最新の論文や英語の書籍などからいつもup-to-dateな知識を吸収してらっしゃる私の尊敬するT先生に倣って、いつもあたまを新しい状態に保っていたいと思います。


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なかのひと

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