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コネ採用を拒否した我が弟、不正の根源は一つ
GET 700pt コメント数：0件 \| アクセス: 3565件	07月19日14時51分配信

私の弟は教員をしている。
心配なくとも試験をきちんと受けて採用された教員だ。
３・４年毎年試験を受けて、採用に至るまで苦労したようだ。
正直、私と意見はあわないので疎遠なのだが、真っ直ぐで正直でそして真面目なところは尊敬できる。

私の前妻の父は校長で定年を迎えた。
定年後は、今も昔もそして未来も日本を蝕みつづけるであろう、天下りで税金を掠め取っていった。
その転職は３回ほどで、そのたびに退職金をもらっていたと虚ろに覚えている。

その定年後の役職の一つが今、大分で事件となった教員採用や配置を担うものだった。
当時は、中元にお歳暮時期にそして年始の挨拶に、教員が贈り物を持参して挨拶によく来ていた。
自分の希望要望などを言って帰っているということを、前妻を通じて耳にしたことがある。

当時、弟は教職員採用試験に取組み、黒星を続けていた。
そんな折、とある身内が集まる機会にて、弟のことを耳にした義父はこう言った。
「何を苦労してんだ、頼みにくればなんとしてやるのに。」

私の弟は、先ほど言ったように真っ直ぐで真面目な性格をしているものだから、こんな話を聞いて、喜んで義父に頭を下げに行く性分ではない。少なからずプライドがあっただろうに、話を聞いてやるという高慢な義父の言葉に「もう少し頑張ってみます」と返答した。
義父は、「何のツテもなく採用されるほど甘くないんだよ！満点でも取るつもりか！」と弟を一喝していたが、要するに頭を下げさせることが快感だったのだと後に思った。
弟は、腹が立つのを何とか抑えてその場をしのいだ。

彼は受験する「県」を変え、本人の努力の賜物として後に採用された。
かれこれ１０数年前の話である。

そして次の話は去年の話である。
私には娘がいる。今年高校を卒業した。去年の今ごろは進路について、同じような年頃を抱える親御さんとよく意見交換したものだ。

その中にこんな話がある。

ある人の子供が担任教師に進路先の希望を聞かれた。所謂、進路指導だ。
子供は不景気な今だからか、公務員になりたい、役所で働きたいと言った。
先生はなんと言ったか…。

「コネあるの？コネがないと役場に入れないよ。」

子供は先生にこう言った。
「コネって、多分ないですけど、がんばりたいです。」
先生は繰り返すように「勉強がんばってもねぇ、コネがなかったら仕事には入れてもらえないのよ」と言い放った。子供は親にそれでも勉強して、受かるようにがんばると言ったとのことだ。

その子は学校で、採用試験を受ける他の学生の中で、一番学年順位が高かった。
勉強はもちろん、出席はほぼ皆勤で、部活動も熱心なとても活発な学生だった。
試験の結果、彼は採用されなかった。採用されたのは彼よりもはるかに学年順位の低い学生だった。

そんな話はこの街でもある。

そういう読者が多数おられるだろう。そう日本中どこでも、地方では当たり前の話だ。そんな当たり前の話が、何故今まで深く取り上げられなかったのか、私にはその方が不思議なことだ。
もしかしてマスメディアも、コネで就職が成り立っているからなのだろうか？

いま起きている教員採用にあたっての不正、そして天下り団体の存在と、それに関連する不正入札も、年金を社保庁職員がネコババするのも、全て問題の本質は同じだ。

全てにおいて問題なのは、全てが国民の目の届かない状況の中で行なわれているということだ。
ガラス張りの情報開示の元では、そして個人が特定されない採用試験であれば、問題が起こる可能性は随分減ることだろう。

だから、こういった問題が明らかになった後、何か自治体や官庁が改善策を打ち出してきた場合、それはガラス張りの状況を作り上げているかを見定める必要がある。

彼ら独特のムラ社会は、改善しますと言いながら、いつも抜け道をきちんと用意している。じゃなきゃ、同じようなことが繰り返し繰り返し起きるわけがない。
この方法じゃばれたから、ばれないようにするにはどうしたらよいか・・・彼らの改善策とは、いかにばれないかの改善に他ならないのではないだろうか。

だから改善策は必ずガラス張りの透明性が確保されたかどうかが必要だ。

もちろんそれは、聞かれたら応えます形式ではない。聞かれなくとも定期的に広報します、という方法でなければ意味をなさない。

社会正義の最後の砦となるべき学校や省庁が、悪の砦なのである。

こんな中で、子供達の生活環境が悪いから犯罪の低年齢化がすすむとか、人を人とも思わぬ凶悪犯罪が起きるといわれても、その犯罪が生れる環境を公務員が見本となって作り上げていると言っても良いのではないだろうか。

教員のハレンチな事件や、公務員の官製談合や詐欺まがいのネコババ。そしてコストパフォーマンスに疑いの目を向けざるをえない残業など、国民の信用を揺るがすこれらの根源に、コネ採用の教師や職員が関わっていないか、ぜひとも徹底的に検証してもらいたいものだ。
公職に携わる人々の最近の事件は、こういったコネ採用によるモラル低下が要因ではないかと思えてならないからだ。

そんな中、大分ではコネ採用された教員をクビにするという決断をした。
どこまで遡って判断するか難しいところもあるだろうが、信頼回復に少しでも前進する判断であったと思う。しかし、これで終わりにしないでほしい。これを機会にしてほしい。

各県ごとに採用試験があることは、今後の地方分権にも関わることなどで維持されるだろうが、せめて教員採用において一定レベル確保のために、名前のわからない試験採点方式や、一定親等に教員がいる場合は、指定する他県での採用試験を受けるルールなどに取組んでもらいたい。

また、適正な人材確保のために、指定ボランティア団体で作業に取組んでもらい、その団体からの評価を採用基準で重視したり、法務に関わる資格所得の際にみられるように、一定期間、教職員学校のようなもので、教員の心がけの基礎や現場シュミレーションに取組ませ、心根の狭いストレスで犯罪に及ばないようにしてもらいたい。こういった学校を各県に作り、民間企業でがんばってきた団塊の世代に、明日の担う教員育成に取組んでもらえたら、有効な公共投資といえるのではないだろうか。

なにより、国旗や国歌に敬意を表さないという、ある種、宗教的な思想を学校に持ち込ませない人材育成につながることと思う。

そんな教員が生徒から「先生」と呼ばれるのは、そして「先生」と呼ばすのは腹が立つ。国旗や国歌に敬意を表しなくて良いというなら、その教師を生徒が呼ぶときは「おっさん」「おばはん」と呼んでもいいと同じだろうが、それは許されない。おかしなことだ。

話がそれたが、教員や公務員のコネ採用は他県が調査を検討したり、各自治体に指示を出しても中々見つかることはないだろう。これを機会にガラス張りにすることがもっとも大切なことで、今後一切、コネは通用しないようにするのが、これからを考えたら得策だ。
そして現状の改善方法として、例えば調査員経験者など民と官を混合した、採用や業務を抜き打ち検査する外局を用意したらどうかと思う。

いつ調べられるか分らない中では、さすがにきちんと採用試験に受かった人なら、リスキーな犯罪行為は及び腰になるだろう。独立行政法人は気に入らないが、こういった外局ができることなら、国民は官庁の膨張とは捉えない。

また、問題の再発防止のためにこういった改善をしますみたいなことでは、信頼回復にはならない。多角的な防止システムを提示し、二重三重の対応に取組まない限り、国民の信用は最早、回復することはないのではないかと思う。

記事ID A21117