厚生労働省で、官用パソコンを用いてゲームやお笑いなど業務と関係のないホームページ(HP)閲覧が1日に約12万件もあったことが14日までに分かった。社会保険庁の職員が業務外で有名人の年金記録をのぞき見た問題や、同省でも20人が利用していた「居酒屋タクシー」に続き、職場を“ネットカフェ”にしていた実態が浮かび上がった。
統計情報部は今年5月7日の1日だけに絞り、職員約5万5000人のうち、本省と8つの地方厚生局計約5500台のパソコンを対象にインターネットの閲覧状況を調査した。
その結果、総閲覧数1000万件のうち、少なくとも12万2000件が業務外と判明。うち、7万5000件が掲示板やチャットなど情報交換系のHPで、ゲームソフトやネット上で遊べるゲーム関連のHPが4万1000件、芸人や演芸場、アニメなどお笑い系HPも6000件に及んだ。
匿名のインターネット掲示板「2ちゃんねる」の閲覧も3700件あり、厚労省の特定の幹部や職員への中傷も繰り返されていた。「定時9時−5時は午前9時−翌日朝5時」「食堂が値上げしてる」という書き込みもあった。
厚労省は2005年7月から省内のパソコンから閲覧制限できるシステムを導入し、アダルト系や株取引といった分野は当初から閲覧不可にしていた。しかし、調査対象となった分野は接続が可能だった。
昨年8月、ネット上の百科事典「ウィキペディア」に外務省、厚労省、宮内庁などの官用パソコンからの書き込みが相次いで発覚。厚労省では職員2人を訓告にしたほか計12人を処分し、全職員に業務外のパソコン使用を禁じる通知を出していた。今回の調査は通知を守っているか確認することが目的だったが、12万件もの不必要な閲覧が発覚したため、お笑いなど問題の分野も先月18日から閲覧を禁止している。