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発信箱:モナとウルリカ=福本容子(経済部)

 スウェーデン出身のウルリカ・ジョンソンさん(40)はテレビの人気女性司会者だ。母国語に加え、英語、フランス語、ドイツ語を話し、BBCなど主にイギリスのメディアで活躍してきた。

 恋多き女である。サッカー、イングランド代表の監督だったエリクソン氏との関係をはじめ、結婚、不倫、離婚、再婚とマスコミをにぎわしてきた。けれどBBCも含め、騒ぎが理由で降板させられたなどとは聞かない。

 そのウルリカさんが、日本のモナさんの一件(二件?)を知ったら、きっと驚くだろう。仕事で失敗したわけでもないのになぜ? しかも、1社でなく、番組出演や広告が次々と取りやめになるとは。

 モナさんに限らない。大企業のトップやスポーツ選手も、いけないらしい。不倫が発覚すると、「辞めよ」「謹慎だ」の大合唱となる。出会い系サイトやラブホテルが公然とはびこり、ワイドショーも見る側も、不倫ネタ大好き、の社会なのに。公的な人だと私生活の問題でも制裁を受けるべきなのか。では、可、不可の線は誰がどこで引くの?

 不倫や浮気が結構だと言っているのではない。家族や恋人が悲しみ、傷つくのはどこの国も同じだろう。ただ、非難の空気ができると、一斉に追放に流れる風潮が強まってはいないか、と気になる。

 ウルリカさんは先月、4人目の子供を産んだ。4人の父親は全員違う。行き過ぎとの声もあるが、自伝を出版したり、自分の私生活を明かす番組に出演したり、マイナスネタさえ明るく商売にしている。彼女をつぶさない社会があるということだろう。

毎日新聞 2008年7月25日 0時06分

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