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2008年7月25日

 末期がんで夫がホスピス病棟に入院した妻が「この抗がん剤はどうして効かないのですか」と看護師に聞いた。看護師は抗がん剤について詳しく説明した
▼ところが妻は次の日もその次の日も同じ質問を続けた。その妻はクレーマーとして警戒の対象となった。ある日、巡回に来た医師にその妻は、同じ質問をした
▼「どうして効かないのですか」。医師が「奥さん、つらいねえ」と答えると、妻は泣き崩れた。以来、その質問はしなくなった。その妻は自分の夫が末期がんになったことが受け入れられなかった。妻の気持ちを理解できたのはその医師だけだった
▼沖縄市で開かれた講座で劇作家の平田オリザさんは、このエピソードを披露して「コミュニケーション能力とは状況を読み、相手の気持ちをくみ取る能力」と語った
▼「ゆとり教育」から「学力優先」に路線変更した文部科学省は状況を読んでいないようだ。学習到達度国際統一テスト(PISA)での日本の子どもたちの学力低下を受けて、授業時間の増加や読み書き計算力の強化といった方向を示した。PISAが求めるのは、知識集積型ではなく、大人になっても学び続けていける思考力や応用力、との認識だ
▼その中でフィンランドは学力世界一と評価されている。沖縄フィンランド協会が設立された。学ぶことはかなりありそうだ。


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