[八王子殺傷]包丁持ちレジの店員にも接近　店内も歩き回る

　東京都八王子市の京王八王子駅ビル９階の「啓文堂書店」で２２日夜、アルバイト店員の斉木愛さん（２２）＝中央大学４年＝ら２人が殺傷された事件で、逮捕された会社員、菅野昭一容疑者（３３）が２人を襲った後、レジカウンターにいた別の店員にも包丁を持って近付いていったことが警視庁捜査１課の調べで分かった。その後も物色するように店内を歩き回っていたことも判明。被害者が増えていた可能性もあり、捜査１課は無差別殺人を裏付ける行為として菅野容疑者を追及する。

　調べでは、菅野容疑者は２２日午後９時半ごろ、本の整理をしていた斉木さんを襲い、左胸をひと突きして失血死させた。さらに、そばにいた別の女性客（２１）の胸や腕を刺した後、包丁を手に店員のいるレジカウンター前まで進んだ。店員はすぐ逃げたが、菅野容疑者はその後も物色するように店内をぐるぐると歩き回ったという。

　当時は客ら１０人以上がいたが、菅野容疑者が刃物を持っていることに気づき一斉に逃走。菅野容疑者がエレベーターで１階に降りたのは、周辺に誰もいなくなってからだったという。

　捜査１課などによると、菅野容疑者は２２日正午過ぎに自宅を出た後、現場近くの大手スーパー内にある１００円ショップで包丁（刃渡り約１５センチ）１本を購入。その後、八王子駅前でしばらくぶらぶらして時間をつぶしていた。

　現場となった駅ビルに入ったのは、２人を襲う約１時間前の午後８時半ごろ。警視庁で防犯カメラなどの解析を進めているが、ビル内をうろついていたとみられる。

　現場のショッピングセンターは２４日に営業を再開。書店は当面の間、２時間短縮し午前１１時から午後９時までの営業となるという。【川上晃弘、佐藤浩】