東レや日産自動車、ホンダ、東京大学などは自動車向けの炭素繊維材料を共同開発する。2010年代半ばをめどに量産技術を確立、車体重量の4分の3を占める鋼材のほとんどを新材料に置き換え現行車より最大4割軽い「炭素繊維カー」の実用化につなげる。ボディーや部品の生産コストを鋼材製並みに引き下げ、車体の軽量化で燃費を約3割改善する。最先端の素材開発で先行することで、環境対応車分野での日本勢の国際競争力をさらに高める狙いだ。
炭素繊維は現在の自動車の主力素材である鉄に比べ重さは4分の1で強度は10倍。ただ鋼材が1キログラム100円強、アルミニウムが300―400円であるのに対し、炭素繊維は数千円に上り普及が遅れていた。鋼材は主原料の鉄鉱石で大手3社による寡占化が進み今後も価格上昇が予想される。量産余地の大きい炭素繊維との価格差が縮小し、自動車を巡る素材間競争が激しくなる見通しだ。(07:03)