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韓国人らの「竹島」抗議で、友好ムード心配…対馬市

対馬市役所前でシュプレヒコールを繰り返す韓国の退役軍人ら

 中学社会科の新学習指導要領解説書に竹島の領有権問題が盛り込まれたことを巡り、韓国の退役軍人らが対馬市で抗議行動を展開した23日、韓国からの観光客誘致などに取り組んできた同市の関係者からは「友好ムードに影を落とさなければいいが」と戸惑いが広がった。

 対馬市によると、釜山〜対馬を結ぶ高速船の1〜6月の韓国人利用者は3万8205人で前年同期比約50%増となるなど、対馬を訪れる韓国人観光客は急増している。

 同市厳原町のホテルを経営する大串嘉見さん(73)は「日本人客は減っており、宿泊客の6割を韓国人が占めている。竹島問題が日韓交流に水を差すようなことにならなければいいが」と表情を曇らせる。同町の土産物店の店員(30)も「今まで通り韓国の客に来てもらわなければ、売り上げに影響する」と心配する。

 交流事業にも影響が出ている。8月3日に開かれる「朝鮮通信使」の行列を再現するパレードに、姉妹島関係にある釜山市影島(ヨンド)区の区庁長が欠席を伝えてきた。

 8月末には影島区で、対馬市と影島区の職員による行政交流セミナーが開かれる。今のところ、中止や延期の連絡はないが、市の担当者は気をもんでいる。

 対馬市の財部能成市長は「竹島問題は両国間で早期に解決し、未来志向の日韓友好交流への進展を期待している」としている。

2008年7月24日  読売新聞)
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