新しいバンドのために新曲を書いてほしい、というような、はっきりとした発注ではないけれど、なんだかそのようなことを頼まれたような気がして、それ以来、いつも頭の片隅で新しい歌のことを考えています。

そのバンドのレパートリーは、古い曲のカヴァーばかり。それも名曲ばかり。ぼくも好きな曲ばかり。そんなレパートリーばかりのバンドのために、新しい曲を書くなんて、ちょっとばかり手に余る難題。

むかしは良いタイトルさえ降りてくれば、ぜったいに曲は書ける、と考えていたし、自信もあったのですが。今年作った曲は「東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。」というタイトルの曲、まだ一曲だけ。歌詞のない曲なら、TVの仕事などでいくつか作りましたけど。

うーむ、いよいよ歌は作れなくなるのかな。あんまり悩み苦しんだりはしたくないなあ。ある日、いつもの街角を曲がったときに、どしん、と誰かにぶつかるように、歌が降りてくるのを待つしかない。そのためには、もっと街を歩かなくては。

ここまで書いたら、御馴染み、大好きな「ハイファイ・レコード・ストア」の昨日のブログで、「レコード手帖。」でご寄稿戴いている大江田信さんが、彼のグループ「林亭」のセカンド・アルバムのレコーディングのために来週からスタジオ入りする、というのを読みました。何だか自分のことのように、ソワソワするのはどうしてなのだろう。

さて、週末のDJの告知です。7月25日金曜の夜は、新宿OTOで「ジャズ&ジャイヴ」。ずーっと、大盛況のパーティー。クボタタケシ・BOOT BEAT神谷直明・平林伸一・小西康陽。アンド・愉快な仲間たち。
来てくれたら、どうしてこんなに人気があるのか、何となくワカル、と思います。
翌日7月26日土曜日は、大阪・梅田カーマで「READYMADE WEEKEND」。今回はゲストに須永辰緒さん。ワーオ。皆様、お会いできるのを楽しみにしています。

きょうの「レコード手帖。」は長谷部千彩さん。なかなか原稿を戴けなかったので、こうして掲載出来ると、こちらもホッとしますね。次回もよろしくお願いします。

このウェブサイト、毎日更新になってから、ぼくは文章を書くのが少し速くなったかもしれない。もちろん巧くなったわけではないけれど。でもその替わり、曲が書けなくなってしまった、というのなら、コレはちょっと困りますね。

ビーチェさんは、いま劇伴の仕事がやりたいのだそうで。アルバムは大好評発売中。みんな、人それぞれ、だなあ。だからイイんですよね。ああ、ランディ・ニューマンになりたい。ジム・ウェッブでもいい。きょうも更新します。

(小西康陽)