モンゴル科学アカデミー古生物学センターと共同学術調査を進めている林原（本社・岡山市下石井）は２３日、同国ゴビ砂漠で採取した化石が、約７０００万年前の大型肉食恐竜タルボサウルスの子どもで、全身の８割が残っていることが確認できたと発表した。

　タルボサウルスを含むティラノサウルス科の恐竜の子どもの化石が、これほど良好な状態で見つかったのは世界でも例がないという。

　林原―モンゴル共同調査隊が２００６年８月、首都ウランバートルの南西約９００キロの南ゴビ県ブギンツァフで発掘。林原自然科学博物館（同所）に運んで調査したところ、首と尾の一部がなくなっているほかは頭部や肋骨、前後の脚、大腿骨など大部分の骨が確認できた。

　頭部の形や小さく退化した前脚からタルボサウルスと分かり、推定全長は約２メートルと成体（約１２メートル）の６分の１程度。脛の骨の断面から年齢は５歳前後とみられる。