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1908年、一隻の船が人々の夢を運んだ
100年前の南米ブラジルで
移民たちは何を目指したの?
「彼らは、コーヒー栽培での一攫千金を夢見てブラジルへ渡りました。しかし、様々な事情で出発が遅れたため、到着したのはコーヒーの収穫期が終わったあと。しかも、彼らが入るはずだった地には、すでに他の労働者が雇われていた。そこで送り込まれたのが、土地柄の悪い耕地だったのです」
そもそも集団移民は、江戸時代末期から一攫千金を狙う手段のひとつだった。また、当時は日露戦争の影響により兵役から逃れようとした者、逆に海外に憧れた者もいた。だが、この集団移民の背景には、「増えすぎた人口を減らす政策の影響が色濃い」と解説する文献も多い。
新天地で移民たちを待っていたのは、あまりに厳しい現実…。日本に帰ろうとする人はいなかったのだろうか?
「帰れなかったのです。なぜなら、彼らは『集団』だった。家族を連れてきてしまい、ひとりでは現地人との交渉をする語学力もない。経済力の問題もあります。なかには、コーヒー園の経営者としてだけでなく医者として成功した人もいますが、あくまでレアケース。おびただしい犠牲のうえに、移民たちはブラジルに定着していったのです」(同)
ブラジルでは、「ジャポネス・ガランチード」(直訳は日本人的保証)という表現がある。これは、“日本人のように誠実できっちりしている”という意味だ。1908年以降もブラジルへの移民は続き、彼らの功績によって日本人の信頼度と勤勉さはそれほどまでに評価されている。世界を見渡してみれば、私たちが知らない日本人の歴史はまだまだあるのかもしれない。
(有馬ゆえ/ノオト)
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