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【萬物相】「誰でもよかった」

【萬物相】「誰でもよかった」

 先月8日、東京・秋葉原の歩行者天国に加藤智大という25歳の派遣社員が2トントラックでやって来た。彼はトラックで歩行者3人をはね、車から降りるとナイフを振りかざして7人を殺害し、12人に重傷を負わせた。逮捕後の取り調べで、「生きるのがいやになった。誰でもよかった」と話したという。一昨日も東京・八王子の駅ビル内にある書店で、33歳のがアルバイトの女性をナイフで殺害した。この犯人も「仕事がうまく行かず、無差別に殺そうと思った」と話しているという。

 加藤容疑者については、実弟が数日前に週刊誌で手記を公開し、兄の成長過程について明らかにした。両親は別の部屋にばかりいて、家族が顔をあわせるのは食事の時だけ。母親は幼い加藤容疑者に対して文章を書かせ、間違えると頬を叩いた。泣き出すと泣いたといってまた叩いた。中学3年生になると加藤容疑者は毎日壁に殴りかかり、部屋の壁は穴だらけになった。異性との交際も禁じられ、テレビもアニメ映画以外は何も見られないようにしていたという。

 一昨日、36歳の男性が江原道の東海市役所にやって来た。「ここにいるのは公務員か」と大声を上げた。するとこの男は突然凶器を振り回し、近くにいた女性職員を殺害した。3男4女7人兄弟の末っ子。高卒で独身のこの男は、2003年に勤めていた大手企業を退職。その後は家族との連絡を絶ち、事件の6カ月前から東海市内で日雇い労働などをしながら生活してきたという。2年前には釜山の電気店で何の理由もなくガソリンをまいて火をつけたこともある。この男は「生きるのがつらくていやになった。目の前にあった大きな建物が市役所だったのでそこに行っただけだ」と警察で話しているという。

 3か月前にも30代の男が、江原道楊口郡の公園で、面識がない女子高生を突然凶器で殺害した。昨年、全羅南道寶城郡に住む70代の漁師が、観光客4人を船で沖に連れ出しその場で殺害した。警察が殺人事件における犯人と被害者の関係を九つに分類したところ、1990年代には「家族や親せき」間での殺人が4件中1件の割合で最も多かった。それが2006年には「見ず知らずの他人(第3者)」が1位に浮上した。

 専門家は「誰でもよかった」という犯罪を、「正常でも精神病でもない第3の領域に属する人格障害」と規定する。貧富の格差が広がる中、競争社会で落ちこぼれた若い世代が感じる相対的はく奪感や挫折、疎外感から、誰彼となく相手を見つけては暴力や犯罪を犯すというのだ。言い換えれば火がついたダイナマイトを持った人間がそれだけ多くなったということだ。そのような「人間凶器」がすぐ近くにいると考えると、安心して通りを歩くこともできない世の中になったと言わざるを得ない。

キム・ドンソプ記者


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