中国製ギョーザ中毒事件やウナギの産地偽装問題が尾を引く中、24日、土用の丑の日を迎えた。中国産の輸入が激減しウナギの価格は高騰する一方。来年の流通量はさらに減る見通しで、関係者からは「ウナギを安く提供できるのも今年まで」との声も出ている。
日本鰻輸入組合(東京)の森山喬司理事長によると、1月のギョーザ中毒事件などを受け、消費者が中国産を敬遠し始めたため、中国政府が認証したかば焼き生産工場の多くが生産中止に追い込まれた。
昨冬から今年にかけて中国で稚魚シラスを池に入れる量も前年の3分の1に。このため来年はさらに中国産の流通量が減る見込みで、森山理事長は「安くておいしいウナギが食べられるのも今年の夏までだろう」とみる。
一方、産地偽装問題の影響で、国内産でも消費者のウナギ離れが心配されている。日本養鰻漁業協同組合連合会(静岡)は「原産地証明書を付けるなどして国内ブランドの信頼性を確立するしかない」と語った。