シートは濃い菜種色だ指定席車は2・2列でゆったり指定席車のデッキ部自由席は従来の新幹線と同じ2・3列グリーン車は落ち着いた色記者会見で展示されたモックアップ
2011年春から予定されている山陽・九州新幹線の新大阪−鹿児島中央間の相互直通運転に向け、JR西日本と九州が共同開発している新型車両の内装が23日、発表された。JR九州の在来線特急「かもめ」などを意識してか、デッキや荷物棚、ひじかけなどに木材を多用したのが特徴だ。日本的な美しさ、りりしさをテーマにした外観同様、和のイメージを前面に打ち出している。
新型車両は昨年7月に登場したN700系をベースにした8両編成。1〜3号車が自由席、4〜8号車が指定席。うち6号車の約半分、24席がグリーン席。現行のN700系同様、全席禁煙とし、喫煙ルームを3号車と7号車に設置する。
グリーン席のデッキや荷物棚、通路との仕切扉には、深い茶色の「古代桜調」の木材を使って重厚感を出すほか、唐草模様のじゅうたんを敷いて高級感を演出する。パソコンが置けるA4サイズのテーブルや、ひじかけにも木材を使用している。新大阪−鹿児島中央間は約4時間の長旅になるため、シートにはフットレストや枕を設置して、少しでもくつろげるよう配慮した。
指定席はJR西の「ひかりレールスター」同様、2列・2列の座席配置で、落ち着きながらも明るい雰囲気を追求した。自由席の座席は2列・3列。2列側は桜模様の茜色、3列側は市松模様の縹(はなだ)色として赤と青を対比させる造りにした。
新型車両はJR西日本が19編成、JR九州が10編成を配備する。10月末には量産先行車の第1編成が完成し、山陽新幹線で試験運行に入る予定だ。