国立病院機構長野病院(上田市)に昭和大(東京)が8月以降も派遣を続ける産科医は1人にとどまることが、23日、分かった。派遣していた4人のうち3人を引き揚げることになる。1人で出産を扱うのは困難なため、昨年12月から中止している出産の受け付けは再開できない見通しだ。上田小県地域の危険度の高い「ハイリスク出産」は当面、長野や佐久など他地域の病院に搬送される。
残留するのは女性医師で、派遣は来年3月まで。常勤医1人態勢となるため、出産は扱わず、妊婦が希望する地域の病院などを紹介する。婦人科の外来診療は続ける。国立病院機構側は月に1、2日応援する医師を確保し、女性医師の負担軽減を図る。
昭和大は昨年11月、都内の産科医不足に対応するため、4人いた派遣医の引き揚げ方針を病院側に示し、現在は残っている医師は2人。5月下旬、既に受け付けていた出産が終了する7月末以降も派遣をゼロとしない方針を固めたが、人数や派遣期間は未定だった。
長野病院は、上田小県地域の年間約2000件の出産のうち、4分の1近くに当たる500件弱を担い、ハイリスク出産も引き受けていた。同病院は引き続き産科医の確保を目指す方針だ。