大浦さん、ども♪です。
社会貢献でメシを食うには、大きく分けて二つの意味があります。
ソニー出身のコンサルタント、横田宏信氏が自著でこんなことを書いてます。
本来、ソニーでは「会社のために働く」なんてあり得ない。
「社会のために働く」。それがソニー流。
かつて、日本にはそんな会社がたくさんありました。
CSRなんて言わなくても、存在そのものがCSRであるような企業がたくさんあったんですね。
そんな会社で、社会のために働いてメシが食えれば、従業員もハッピーだろうと。
そうじゃないから、仕事をしていてもハッピーじゃない、そんな悩みを抱えている若い人もいっぱいいます。
だから、日本の企業が本来持っていた、「社会のために働く場」というものを、もう一度取り戻す。そんな意味が一つ。
もうひとつは、大浦さんが指摘している、
>「メシを食うのはビジネス、稼いだ金を使うのは社会貢献」
>が世間の常識です。
これはたしかにそうなんですが、
日本でNPOや社会起業家が育たないのは、こんな常識があるからだと思ってます。
多くの場合、非営利セクターの社会貢献事業というのはサービス業なので、だれかがサービスを提供しなければなりません。
サービスにはコストがかかりますが、その多くは人件費でもあります。
こんな、世界では常識のことを、日本でも常識にしていかないと、非営利セクターは育ちません。
と同時に、非営利セクターに勤めて、それで生活が成り立つ人の比率をどんどん高めていく。雇用を創出するだけでなく、社会貢献したいと思う人のチャンスを増やしていく。
そんなことも大事かと思います。
日本のNPOスタッフの平均年収は200万円くらいだと言われています。
これは、昨今、社会問題になっているワーキング・プア層に、彼らも入ってしまうわけです。
高い志を持ってNPO活動に参加しても、30歳くらいで多くのひとはやめていく。年収200万円では、結婚も出来ませんから。
で、40歳を超えてNPOで働いている人は、奥さんに食わしてもらったりしている。
要するに、社会貢献ではメシが食えないんですよね。この国では。
非営利セクターで働く人も、それでメシを食えるようにしないと、NPOや社会起業家は育ちません。
無償のボランティアだけで、世界を救えると考えているのは、実際に社会貢献活動をやったことのない人間だけです。あるいは、イノセントな夢想家だけです。念仏を唱えるだけで世界が平和になると考えているような人と言ってもいいですが。
社会貢献事業も企業と同じく、フルタイムのスタッフがいないと、大きな活動はできません。大きな事業を成し遂げるために、多くのスタッフを雇い入れることができて、そのスタッフ達がちゃんと生活できる給料を支払うことが出来る。
それを社会が承認している。
社会貢献でメシを食うとは、そんな社会に生きることでもあります。