2008年07月22日
やっぱりゼミやるぞ！ 前言撤回＆自己批判その他諸々
以下の記事の元原稿にはやはり不適切な記述が多々あるなと自分自身判断いたしましたので、大幅に内容を改訂しました。とりあえずみなさんに伝えたいことは、ゼミを来年度もやるぞという決意表明です！
舌の根も乾かぬうちに前言を撤回します（笑）私の性格が解っている人は慣れっこでしょうけど。
昨日の投稿記事に対するコメント欄での、 07さん、法科大学院生さん、そして久しぶりに書き込んでくれた、私の福岡大学在勤中のときのゼミ生で、今東京で頑張っているrk（reiko）からのあたたかいコメントに、どんどんまずは感覚的に嫌気だっていた気持ちが治まっていきました。
さらに、物理的、形式的にも、ゼミを持たないということは無理なようだということが判明しました。
ノルマ的にもやらなきゃいけないことになっていることを知りました。
ならば、ならば、ならば・・・
私の下でゼミ生として何かを得てみたいとか、ゼミでくらい真剣に勉強に打ち込んでみたいと、本気で思っている学生さんがいるのであれば、その期待に応えるのも職務ではないかと思いを１８０度転換しました。
なので、募集します。思いっきり募集します。
ただし、もう二度と今のような思いをするのは嫌なので、「専門演習�機徑�修要項をしっかり読んで、単に私のキャラが面白そうだとか、そういった安易な気持ちではなく、わたしが常々ゼミで言っているように、ゼミは勉強するだけの場ではなく、人間関係育成の場であり、場の空気を読める大人の社会人になっていってほしいので、そのことを自分の目標に本当にできるのであれば、どんどん応募してください。
私は、正直言って、ゼミで毎回一人一人に判例の報告をさせたりとか、そういったゼミの運営方法はとっていません。あくまでも、班別にして、各班でまずは他人と協力しあうこと、自分と価値観の違う人間との調和を重んじること、そして、勉強ができる者とやや苦手な者とではそれぞれ昼のゼミと夜のゼミとでバランスよく助け合い、いつしかみんながそれとなく一体化して、なんだかんだ言って居心地よいねというゼミになるように考えてきていますから、それを今後も継続します。
もちろん、学問については、多角的な視座の持ち方、判例評釈や体系署の記述だけにふりまわされないで、違った視点から事象を分析する力、さらには各ゼミ生がどこでつまづいているのかを質問をぶつけながらチェックし、それをできるだけ解りやすく解説し、みんなが最終的には同じ共通理解度に達することを目標にします。
だから、とことん一個の裁判例を掘り下げてあらゆる論点を総ナメにして、どこが一番のポイントなのかを見極める力を養うようなやり方をします。
今の３回生には、これまでの中で一番ある意味わざと適度な距離を置きつつ、その反面、一番学問的には高度な要求をして、少し鍛えるようにしていますが、本当にセンスのよい子、学問に純粋な子、そしてできるできないにかかわらず周りと上手くやろうと心がけてくれる子ばかりで、私自身はとても信頼しています。
その中の一人の男の子がここを見たらしく、メールをくれました。
「こんにちは 昨日偶然先生のブログ見ました。
幹事さんからメールあったみたいですが、ゼミ生で先生のゼミに入って後悔してる人なんて誰もいないですよ。
学部での講義もそうです。
部室で同級生・後輩の子と法学部の講義について話してますが不満を言ってる人なんて誰もいないです。
むしろ他の講義が先生の講義のようになればなぁ、って思ってます。
伝わる人にはちゃんと伝わってます。
だからいままで通りの先生でいて下さい」
彼からは、ゼミだけでなく講義についてまでエールをもらい、恐縮してます。と同時に実は彼には相当期待もしています。
ともかく法律学、とくに私法系に対するセンスが抜群で、ポイントを見抜く力はかなりのものなのです。惜しむらくは、択一や単なる記述式程度の行数であれば、ごまかしが利くのですが、真の論述となると文章の構成力にまだまだ難があるところです。
ちょっと構成について、アドバイスをすれば、もともとの飲み込みは早いので、かなりいいところまで伸びてくれます。
教育に対する私の一番の喜びは、まさにこれなのです。伸びてくれることです。
それは他者と比較した相対的なものではなく、当該学生自身がゼミや講義に参加する前よりも伸びたと実感してもらえたのであれば、これに勝る喜びはありません。
だから、弁護士登録もせず、むしろ自分で救える、助けられる人の数は知れているのだから、それよりも私は、実務法曹や、研究者をどんどん生み出す方になろう、それも本当に社会の底辺や裏を知り、その上で泥まみれになっても何かよい解決方法がないか模索することのできる優しさと強さを兼ね備えた法律家の育成をしようと思い、この仕事を天職と決めているのです。
幸いにして、若いうちに自分の想像以上に学界でも一定の評価を得ることができましたことは、少なからず自信に繋がっていますし、より頑張ろうというインセンティブにもなっています。
というわけで、現在の０７期生のみなさんで、本気で私と接し、時には切磋琢磨し、時にははじけ飛ぶことを大学生のうちに体験してみたい、また、私自身の考える法律学、もっと突き詰めて言えば、商法・民法・民事訴訟法を縦横無尽に駆けめぐる笹本私法学に間近でふれてみたいと思った人は、履修要項の要件をしっかり満たすような応募をしてきて下さい。
やはり今の大学生には二十歳を超えて成人であっても「傷付き易い世間知らずの子どもを相手にしている」と思って接していかないといけないのだなと、多少のやるせなさと、自分の甘さも反省いたしました。やはり、私が大学生だった頃とは時代背景などが変わったのでしょう。退職された私の師匠も絶対にゼミ生を落とさない先生でしたが、私達の同期はみんな先生に恥ずかしい思いをさせないように、むしろ毎回出席することはもちろん、それなりに前方に座りモニター的に受講し、いい点を取るように頑張ったものです。だからこそ、師匠は一般にも神とは呼ばれてましたが、ゼミでは放任主義で、私を含め熱いゼミ生が勝手に討論を繰り返していて、毎回それなりに盛り上がり、結果的に、同期から弁護士が２名、司法書士が１名誕生しました。しかも卒業して結構すぐにみんな合格しました。それが大学院で研究者を目指し始めていた私にとっての発奮材料にもなりました。今は、ゼミ生優遇措置なんてしてしまうと、むしろ言葉どおり受け取って平気ですがって甘えてくるんですね。やはり２０年近くの時の差を感じます。学生気質が変わったと感じたというのはそういう意味です。もうそういったことは絶対にする気はありませんが、それでも、私のゼミに入りたいと思う人は、どしどし応募してください。
よろしくお願い申し上げます。
舌の根も乾かぬうちに前言を撤回します（笑）私の性格が解っている人は慣れっこでしょうけど。
昨日の投稿記事に対するコメント欄での、 07さん、法科大学院生さん、そして久しぶりに書き込んでくれた、私の福岡大学在勤中のときのゼミ生で、今東京で頑張っているrk（reiko）からのあたたかいコメントに、どんどんまずは感覚的に嫌気だっていた気持ちが治まっていきました。
さらに、物理的、形式的にも、ゼミを持たないということは無理なようだということが判明しました。
ノルマ的にもやらなきゃいけないことになっていることを知りました。
ならば、ならば、ならば・・・
私の下でゼミ生として何かを得てみたいとか、ゼミでくらい真剣に勉強に打ち込んでみたいと、本気で思っている学生さんがいるのであれば、その期待に応えるのも職務ではないかと思いを１８０度転換しました。
なので、募集します。思いっきり募集します。
ただし、もう二度と今のような思いをするのは嫌なので、「専門演習�機徑�修要項をしっかり読んで、単に私のキャラが面白そうだとか、そういった安易な気持ちではなく、わたしが常々ゼミで言っているように、ゼミは勉強するだけの場ではなく、人間関係育成の場であり、場の空気を読める大人の社会人になっていってほしいので、そのことを自分の目標に本当にできるのであれば、どんどん応募してください。
私は、正直言って、ゼミで毎回一人一人に判例の報告をさせたりとか、そういったゼミの運営方法はとっていません。あくまでも、班別にして、各班でまずは他人と協力しあうこと、自分と価値観の違う人間との調和を重んじること、そして、勉強ができる者とやや苦手な者とではそれぞれ昼のゼミと夜のゼミとでバランスよく助け合い、いつしかみんながそれとなく一体化して、なんだかんだ言って居心地よいねというゼミになるように考えてきていますから、それを今後も継続します。
もちろん、学問については、多角的な視座の持ち方、判例評釈や体系署の記述だけにふりまわされないで、違った視点から事象を分析する力、さらには各ゼミ生がどこでつまづいているのかを質問をぶつけながらチェックし、それをできるだけ解りやすく解説し、みんなが最終的には同じ共通理解度に達することを目標にします。
だから、とことん一個の裁判例を掘り下げてあらゆる論点を総ナメにして、どこが一番のポイントなのかを見極める力を養うようなやり方をします。
今の３回生には、これまでの中で一番ある意味わざと適度な距離を置きつつ、その反面、一番学問的には高度な要求をして、少し鍛えるようにしていますが、本当にセンスのよい子、学問に純粋な子、そしてできるできないにかかわらず周りと上手くやろうと心がけてくれる子ばかりで、私自身はとても信頼しています。
その中の一人の男の子がここを見たらしく、メールをくれました。
「こんにちは 昨日偶然先生のブログ見ました。
幹事さんからメールあったみたいですが、ゼミ生で先生のゼミに入って後悔してる人なんて誰もいないですよ。
学部での講義もそうです。
部室で同級生・後輩の子と法学部の講義について話してますが不満を言ってる人なんて誰もいないです。
むしろ他の講義が先生の講義のようになればなぁ、って思ってます。
伝わる人にはちゃんと伝わってます。
だからいままで通りの先生でいて下さい」
彼からは、ゼミだけでなく講義についてまでエールをもらい、恐縮してます。と同時に実は彼には相当期待もしています。
ともかく法律学、とくに私法系に対するセンスが抜群で、ポイントを見抜く力はかなりのものなのです。惜しむらくは、択一や単なる記述式程度の行数であれば、ごまかしが利くのですが、真の論述となると文章の構成力にまだまだ難があるところです。
ちょっと構成について、アドバイスをすれば、もともとの飲み込みは早いので、かなりいいところまで伸びてくれます。
教育に対する私の一番の喜びは、まさにこれなのです。伸びてくれることです。
それは他者と比較した相対的なものではなく、当該学生自身がゼミや講義に参加する前よりも伸びたと実感してもらえたのであれば、これに勝る喜びはありません。
だから、弁護士登録もせず、むしろ自分で救える、助けられる人の数は知れているのだから、それよりも私は、実務法曹や、研究者をどんどん生み出す方になろう、それも本当に社会の底辺や裏を知り、その上で泥まみれになっても何かよい解決方法がないか模索することのできる優しさと強さを兼ね備えた法律家の育成をしようと思い、この仕事を天職と決めているのです。
幸いにして、若いうちに自分の想像以上に学界でも一定の評価を得ることができましたことは、少なからず自信に繋がっていますし、より頑張ろうというインセンティブにもなっています。
というわけで、現在の０７期生のみなさんで、本気で私と接し、時には切磋琢磨し、時にははじけ飛ぶことを大学生のうちに体験してみたい、また、私自身の考える法律学、もっと突き詰めて言えば、商法・民法・民事訴訟法を縦横無尽に駆けめぐる笹本私法学に間近でふれてみたいと思った人は、履修要項の要件をしっかり満たすような応募をしてきて下さい。
やはり今の大学生には二十歳を超えて成人であっても「傷付き易い世間知らずの子どもを相手にしている」と思って接していかないといけないのだなと、多少のやるせなさと、自分の甘さも反省いたしました。やはり、私が大学生だった頃とは時代背景などが変わったのでしょう。退職された私の師匠も絶対にゼミ生を落とさない先生でしたが、私達の同期はみんな先生に恥ずかしい思いをさせないように、むしろ毎回出席することはもちろん、それなりに前方に座りモニター的に受講し、いい点を取るように頑張ったものです。だからこそ、師匠は一般にも神とは呼ばれてましたが、ゼミでは放任主義で、私を含め熱いゼミ生が勝手に討論を繰り返していて、毎回それなりに盛り上がり、結果的に、同期から弁護士が２名、司法書士が１名誕生しました。しかも卒業して結構すぐにみんな合格しました。それが大学院で研究者を目指し始めていた私にとっての発奮材料にもなりました。今は、ゼミ生優遇措置なんてしてしまうと、むしろ言葉どおり受け取って平気ですがって甘えてくるんですね。やはり２０年近くの時の差を感じます。学生気質が変わったと感じたというのはそういう意味です。もうそういったことは絶対にする気はありませんが、それでも、私のゼミに入りたいと思う人は、どしどし応募してください。
よろしくお願い申し上げます。
2008年07月21日
平成２１年度専門演習�気砲弔い�
７月の１８日までに履修要項の原稿や、選考方法についての回答を提出しなければならなかったのですが、あえて提出しませんでした。
来年度は、ゼミを持ちたくないのです。というか、今後しばらくゼミを持ちたくないのです。
一つには、自分が学生だった頃のゼミの様子、福岡で過ごした１０年間でのゼミの様子、それらをすべて消し去ることができないと今の関大ではゼミを指導する資格がないと自分ながらに判断したからです。
私が関大で岩崎憲次師匠のゼミ生だった頃は何かと先生の家に遊びに行ったりして、奥さんと酒を飲んだり、また先生も我々が来るのを覚悟して、汚されないように、床にビニールシートを張り巡らしたりしていました。私もゼミってアットホームで一種のファミリーみたいなもんだと思っておりましたし、福岡ではなおさら人なつっこく、教員と学生の垣根なんてものより、人と人っていう感覚が強かったので、私も普通に家でワイワイ騒いだり、逆に学生のマンションにみんなで転がり込んでそのまま泊まったりしていました。
ところが、今の関大はどうも違います。教員と学生の間には大きな壁、ないし溝があり、決して対等ではなく、ゼミ生の就職を一緒になって心配して考えるとか、履歴書やエントリーシートをチェックするなんてことはむしろおかしいとまで考えられているようです。
とすると、私は、自分のゼミ生時代の感覚および福岡流儀のまま、今の関大でゼミをやっていたことで、色々と誤解を招いたり、曲解されたり、叩かれたりしたのかもしれないなと思うようになりました。
こことは別に法学部生のたまり場とか掲示板を設けておりますが、あれなんかは福岡大学に赴任した私が２０代のときの遺物です。そのくらい、普通にゼミ生であろうと単なる受講生であろうと、法律を学ぶことに興味を抱くことができた学生のたまり場にしたくて作った場所です。
しかしながら、関大は違ってました。いや、変わってしまいました。私が外に出て行った１０年の間にいつの間にか偏差値やら、校風やら、学生の気風やらまで変わってしまいました。
ならば、私もここで働く以上はそれに合わせなければなりません。
でも、そう簡単に今までの習慣を捨て去るのは簡単ではありません。
そこで、現在、学部長を通じて、執行部に、来年度のゼミの担当者として、自分は不適格であるからという理由で担当を撤回するとともに、その代わりに２単位科目の講義を複数負担することを認めてほしいと訴えています。
つまり、すべてのノルマの負担がゼミなしで講義だけになっても構わないと思っているのです。
できれば、法科大学院の未修者コースの本来の趣旨である、他学部の学生をなるべく相手にする商法の講義を負担したいと考えています。法学部生の教育には、私よりもっと適した先生方がいらっしゃると思います。私は、むしろ、法学を何となく履修した学生にこそ、法律学の面白さや、醍醐味を伝えてみたいと思っています。経済学に強い法律家、リスクマネジメントのできる法律家、そういった他分野出身の法律家を育ててみたくて仕方ないのです。「法と経済学」の講義科目が学部にも法科大学院にも、既存の大学院にも置かれていない関大で、バランスの取れた法律思考ができる人材を育成するには、誰かがやらなければならない仕事だと思っています。
その点では、今までの経験から、商学部、経済学部の学生の方が、ある意味でシンプルに法律を自分の常識的な価値観からとらえてくれるので、変に法律の世界ではこうだからとかいって割り切っていなくて、反応が面白いのです。
しかし、この申し出、すなわち来年度の専門演習１を開講せずに、講義に変更したいという願いは、教務から却下されました。理由もよく解りません。ただ伝えられたのは、「執行部の意向といたしましては、今結論を出すことができないので、履修要項の原稿等の準備を進めておいてくださいとのことでした。」ということだけでした。
確かに実際に募集が始まる手続的なことが行われるのは、次の学部長の時期であり、現学部長のどうこうする問題ではないのかもしれませんが、本来、おそらく大多数の先生方が、講義負担よりはゼミ負担の方が楽だ、あるいはマシだと思っていると私は勝手に推測しています。それを逆に、ゼミ負担よりも講義負担をしたい、という私の願いがなぜ届かないのでしょうか？私のゼミ一つがなくなったところで、大した影響はないと思うのですが。
それでなくても、ゼミ志望者の全体数は年々下降傾向にあるのですから。
他学部やフレックスの講義をできる限り多くやりたいという思いがいつか伝わることを願っています。私の師匠も二部出身でしたし、私は夜間部の維持を支持していましたから。また、こういうことを書くとお叱りを受けるんですかねぇ〜。
そんなに暴言や毒を吐いているつもりはなく、むしろ教育という観点から、思ったことを率直に述べているだけなんですけどね。
今の私には、現在の法学部生のゼミを指導するだけの資格がないとつくづく思いましたから。どうしてもファミリー的に接してしまって、教授らしく一線をひいて、ドライに接することができない以上、ゼミを開講するにあたって、他大学ならともかく、少なくとも関大法学部では自分は不適格だと思い至りましたから。
ですから、一応、教務には、執行部の先生方がそうおっしゃるなら仕方ないですが、応募してきた学生を全部不合格にしたら結果は一緒でももっとマズイことになるんじゃないでしょうかとの疑問だけは呈しておきました。
ですから、このブログを閲覧された学生諸君は、もし私の募集が実施されたとしても、私には開講の意思がないことをご承知おき下さって、他のゼミに応募されることをお勧めいたします（これもマズイ記載なのかもしれませんね〜笑）。
どうせ叱られるなら、直接叱られる前に言いたいことだけ言っておこうというとんでもないヤツですから、執行部の先生方、残った任期もあとわずかですし、もうあきらめてください。お願いします m(_ _)m
来年度は、ゼミを持ちたくないのです。というか、今後しばらくゼミを持ちたくないのです。
一つには、自分が学生だった頃のゼミの様子、福岡で過ごした１０年間でのゼミの様子、それらをすべて消し去ることができないと今の関大ではゼミを指導する資格がないと自分ながらに判断したからです。
私が関大で岩崎憲次師匠のゼミ生だった頃は何かと先生の家に遊びに行ったりして、奥さんと酒を飲んだり、また先生も我々が来るのを覚悟して、汚されないように、床にビニールシートを張り巡らしたりしていました。私もゼミってアットホームで一種のファミリーみたいなもんだと思っておりましたし、福岡ではなおさら人なつっこく、教員と学生の垣根なんてものより、人と人っていう感覚が強かったので、私も普通に家でワイワイ騒いだり、逆に学生のマンションにみんなで転がり込んでそのまま泊まったりしていました。
ところが、今の関大はどうも違います。教員と学生の間には大きな壁、ないし溝があり、決して対等ではなく、ゼミ生の就職を一緒になって心配して考えるとか、履歴書やエントリーシートをチェックするなんてことはむしろおかしいとまで考えられているようです。
とすると、私は、自分のゼミ生時代の感覚および福岡流儀のまま、今の関大でゼミをやっていたことで、色々と誤解を招いたり、曲解されたり、叩かれたりしたのかもしれないなと思うようになりました。
こことは別に法学部生のたまり場とか掲示板を設けておりますが、あれなんかは福岡大学に赴任した私が２０代のときの遺物です。そのくらい、普通にゼミ生であろうと単なる受講生であろうと、法律を学ぶことに興味を抱くことができた学生のたまり場にしたくて作った場所です。
しかしながら、関大は違ってました。いや、変わってしまいました。私が外に出て行った１０年の間にいつの間にか偏差値やら、校風やら、学生の気風やらまで変わってしまいました。
ならば、私もここで働く以上はそれに合わせなければなりません。
でも、そう簡単に今までの習慣を捨て去るのは簡単ではありません。
そこで、現在、学部長を通じて、執行部に、来年度のゼミの担当者として、自分は不適格であるからという理由で担当を撤回するとともに、その代わりに２単位科目の講義を複数負担することを認めてほしいと訴えています。
つまり、すべてのノルマの負担がゼミなしで講義だけになっても構わないと思っているのです。
できれば、法科大学院の未修者コースの本来の趣旨である、他学部の学生をなるべく相手にする商法の講義を負担したいと考えています。法学部生の教育には、私よりもっと適した先生方がいらっしゃると思います。私は、むしろ、法学を何となく履修した学生にこそ、法律学の面白さや、醍醐味を伝えてみたいと思っています。経済学に強い法律家、リスクマネジメントのできる法律家、そういった他分野出身の法律家を育ててみたくて仕方ないのです。「法と経済学」の講義科目が学部にも法科大学院にも、既存の大学院にも置かれていない関大で、バランスの取れた法律思考ができる人材を育成するには、誰かがやらなければならない仕事だと思っています。
その点では、今までの経験から、商学部、経済学部の学生の方が、ある意味でシンプルに法律を自分の常識的な価値観からとらえてくれるので、変に法律の世界ではこうだからとかいって割り切っていなくて、反応が面白いのです。
しかし、この申し出、すなわち来年度の専門演習１を開講せずに、講義に変更したいという願いは、教務から却下されました。理由もよく解りません。ただ伝えられたのは、「執行部の意向といたしましては、今結論を出すことができないので、履修要項の原稿等の準備を進めておいてくださいとのことでした。」ということだけでした。
確かに実際に募集が始まる手続的なことが行われるのは、次の学部長の時期であり、現学部長のどうこうする問題ではないのかもしれませんが、本来、おそらく大多数の先生方が、講義負担よりはゼミ負担の方が楽だ、あるいはマシだと思っていると私は勝手に推測しています。それを逆に、ゼミ負担よりも講義負担をしたい、という私の願いがなぜ届かないのでしょうか？私のゼミ一つがなくなったところで、大した影響はないと思うのですが。
それでなくても、ゼミ志望者の全体数は年々下降傾向にあるのですから。
他学部やフレックスの講義をできる限り多くやりたいという思いがいつか伝わることを願っています。私の師匠も二部出身でしたし、私は夜間部の維持を支持していましたから。また、こういうことを書くとお叱りを受けるんですかねぇ〜。
そんなに暴言や毒を吐いているつもりはなく、むしろ教育という観点から、思ったことを率直に述べているだけなんですけどね。
今の私には、現在の法学部生のゼミを指導するだけの資格がないとつくづく思いましたから。どうしてもファミリー的に接してしまって、教授らしく一線をひいて、ドライに接することができない以上、ゼミを開講するにあたって、他大学ならともかく、少なくとも関大法学部では自分は不適格だと思い至りましたから。
ですから、一応、教務には、執行部の先生方がそうおっしゃるなら仕方ないですが、応募してきた学生を全部不合格にしたら結果は一緒でももっとマズイことになるんじゃないでしょうかとの疑問だけは呈しておきました。
ですから、このブログを閲覧された学生諸君は、もし私の募集が実施されたとしても、私には開講の意思がないことをご承知おき下さって、他のゼミに応募されることをお勧めいたします（これもマズイ記載なのかもしれませんね〜笑）。
どうせ叱られるなら、直接叱られる前に言いたいことだけ言っておこうというとんでもないヤツですから、執行部の先生方、残った任期もあとわずかですし、もうあきらめてください。お願いします m(_ _)m
商法１
毎日のように試験問題や講義内容について質問メールが何通も来ますが、結構共通してつまづいている（今ではつまずくが本則らしいのですが、本来は「爪突く」すなわち爪先をぶつけてしまうことからきてるので、私は、つまづくと表現します。同じようなもので、稲妻も何で感じでは妻なのに「いなずま」が本則なのかがわかりません）ことに気づきました。根本的なところでわからなくなっている人はむしろ日頃の単なる勉強不足でどうってことはないのですが、本当にややこしいところで考えすぎて混乱している人に対する回答には相当頭を悩ませます。
例えば、支店の代表者たる名称の者がいて、その者の権限に金額上の制限が課せられていたときに、その制限を超えて行われた行為について、支配人の代理権に対する制限（２１�掘砲班集�支配人（２４）の関係をどうとらえるかとか、商法５０３条の附属的商行為に関する問題とかは実際の商法総則のテキストでもそんなに深く書かれているものは、非常に少ないと思います。というか予備校本も含めて皆無に近いと思います。
本日も商法５０３条の構成がよく解らなくなってきたという質問がありました。で、この質問はこれまでにも十数件ありましたので、以下、今日の質問者にも回答したのですが、大ざっぱに、かつ簡潔に解説してみます。
営業行為自体を継続していれば商人性を取得する（商５０１，５０２，４�機法�
これはわかりますよね？
ところが、その営業行為自体のために前もって行う行為は商行為とならないとすると、それは民法、営業行為自体は商法というバランスの悪い結果になってしまいます。そこで、前もって行う行為、すなわち開業準備行為というものを何とか商行為として考えられないかという視点から、生み出されたのが、開業準備行為の附属的商行為性の問題です。そしてさまざまな説が登場しましたが、今のところ、判例・通説ともに営業意思客観的認識可能説で落ち着いていると思います。このあたりは従来から代表的な論点ですので、あらゆる商法総則の本に色々書いてあると思います。以上の問題は、商法５０３条１項に関するものです。つまり、開業準備行為の段階まで商人資格の取得時期を遡らせて、当該行為を「商人」が営業の「ためにする」行為と同一視するというやや技巧的な解釈を行うわけです。
これに対して、営業行為自体を開始した後は堂々と客観的に商人性を主張できるわけですから、その後の行為については、営業行為自体のためにする行為であれば問題なく附属的商行為とすることができます（これが本来の商５０３�気旅佑�方です）が、実際問題としては、当該行為が営業行為自体のためにするものかどうかの判断基準は開業準備行為と同様に簡単なものではありません。そこで、開業後は、商人性は間違いなく取得しているものと考えると、ここで初めて商法５０３条２項の問題となります。要するにいったん法律上の推定を働かせ、それに対する民事訴訟上のいわゆる反証がなければ、推定が確定し、営業のためにするものとなり、続いて１項で、附属的商行為性が認められることになるわけです。
５０３条２項の考え方は実は総則の色んなテキストでもそんなにきちんと書かれていないのです。同じ総則でも、民法と商法では、予備校本とかでも扱いが全く異なり、商法総則はどちらかというとかなり適当に書かれているので、気をつけてください。これは従来の司法試験で商法総則・商行為が軽視されてきた弊害の一部でもあり、また学者が真剣に総則の諸規定について考えてこなかったことの証左でもあります。
だから、私は、その隙間を埋めようと自分なりにこれまで研究してきて考えてきたところをできるだけ理解してもらおうと、覚える学問ではなく、疑問を持つ、考える学問を示そうと努力してきたのです。
というわけで、商法１の受験生諸君は、最終講義でも言ったように、できるだけ簡潔にかつ自分が解ったことだけを書いてください。言っておきますが、あらかじめ作っておいた自作解答例を六法の白紙箇所や表紙裏などに書き込んだり、ましてやカンニングペーパーを作って対処しようなどと、つまらない不正行為は絶対にやめてくださいね。もしそれがバレたら、前期の単位が全部なくなるわけですよ。リスクを考えたらわずか２単位のために行うだけのインセンティブなんてどこにもないことくらいは判りそうなものなんですが。
あと、単なる条文の丸写しは解答とは言いませんので、誤解しないように。
それから、正解と解答例とは別物ですので。法律問題において、正解は一つとは限りませんし、ないとも言えますが、解答例は複数ありますから。その中で優劣を決めていくわけです。
自分で出題しといて言うのも何ですが、前もって準備しておきながら、この程度の問題に解答するのに１問あたり５分以上かけるのはかけすぎです。１問あたり５分までで、最終的に残った時間で見直しをする、そのくらいの余裕がないと資格試験や司法試験の択一等には歯が立ちませんよ。一応、シラバスにも書いてあるように、司法試験等を目指す人たちにも十分対応できるレベルまで講義内容は段階をふんだものにしていたのですから。自分はそこまでは求めていないという人は、だからこそ、解ったことだけを書いてください。基礎的なことが解っているなと思えれば、ちゃんと点数は上げます。
今年から、本当にバッサリやる気はまったくないのです。解りやすく、かつ高度なところまで引き上げられる講義をすること、出席した受講生に満足してもらえるだけの内容にすること、それができれば、私としては、もう十分ですから。
だって、少しでも商法に興味や知的好奇心を抱いてくれたのであれば、自分でどんどん研究していってくれるでしょうから。
勉強なんて、させられるうちは楽しくありません。したくなってこそ楽しいのです。
その感覚を抱いてもらえるように、さらに一層後期は頑張りたいなと思います。
・・・が、また舌禍でお騒がせしてしまうかもしれません（汗）
その時は、もう関大に来て３年以上経つんですし、みんなの一応先輩っていうか同窓なんですから、そろそろ、みなさんも、あいつのキャラだから仕方ないよなっていうくらいの温かい目（長い目？）で見てやってくださいまし m(_ _)m
例えば、支店の代表者たる名称の者がいて、その者の権限に金額上の制限が課せられていたときに、その制限を超えて行われた行為について、支配人の代理権に対する制限（２１�掘砲班集�支配人（２４）の関係をどうとらえるかとか、商法５０３条の附属的商行為に関する問題とかは実際の商法総則のテキストでもそんなに深く書かれているものは、非常に少ないと思います。というか予備校本も含めて皆無に近いと思います。
本日も商法５０３条の構成がよく解らなくなってきたという質問がありました。で、この質問はこれまでにも十数件ありましたので、以下、今日の質問者にも回答したのですが、大ざっぱに、かつ簡潔に解説してみます。
営業行為自体を継続していれば商人性を取得する（商５０１，５０２，４�機法�
これはわかりますよね？
ところが、その営業行為自体のために前もって行う行為は商行為とならないとすると、それは民法、営業行為自体は商法というバランスの悪い結果になってしまいます。そこで、前もって行う行為、すなわち開業準備行為というものを何とか商行為として考えられないかという視点から、生み出されたのが、開業準備行為の附属的商行為性の問題です。そしてさまざまな説が登場しましたが、今のところ、判例・通説ともに営業意思客観的認識可能説で落ち着いていると思います。このあたりは従来から代表的な論点ですので、あらゆる商法総則の本に色々書いてあると思います。以上の問題は、商法５０３条１項に関するものです。つまり、開業準備行為の段階まで商人資格の取得時期を遡らせて、当該行為を「商人」が営業の「ためにする」行為と同一視するというやや技巧的な解釈を行うわけです。
これに対して、営業行為自体を開始した後は堂々と客観的に商人性を主張できるわけですから、その後の行為については、営業行為自体のためにする行為であれば問題なく附属的商行為とすることができます（これが本来の商５０３�気旅佑�方です）が、実際問題としては、当該行為が営業行為自体のためにするものかどうかの判断基準は開業準備行為と同様に簡単なものではありません。そこで、開業後は、商人性は間違いなく取得しているものと考えると、ここで初めて商法５０３条２項の問題となります。要するにいったん法律上の推定を働かせ、それに対する民事訴訟上のいわゆる反証がなければ、推定が確定し、営業のためにするものとなり、続いて１項で、附属的商行為性が認められることになるわけです。
５０３条２項の考え方は実は総則の色んなテキストでもそんなにきちんと書かれていないのです。同じ総則でも、民法と商法では、予備校本とかでも扱いが全く異なり、商法総則はどちらかというとかなり適当に書かれているので、気をつけてください。これは従来の司法試験で商法総則・商行為が軽視されてきた弊害の一部でもあり、また学者が真剣に総則の諸規定について考えてこなかったことの証左でもあります。
だから、私は、その隙間を埋めようと自分なりにこれまで研究してきて考えてきたところをできるだけ理解してもらおうと、覚える学問ではなく、疑問を持つ、考える学問を示そうと努力してきたのです。
というわけで、商法１の受験生諸君は、最終講義でも言ったように、できるだけ簡潔にかつ自分が解ったことだけを書いてください。言っておきますが、あらかじめ作っておいた自作解答例を六法の白紙箇所や表紙裏などに書き込んだり、ましてやカンニングペーパーを作って対処しようなどと、つまらない不正行為は絶対にやめてくださいね。もしそれがバレたら、前期の単位が全部なくなるわけですよ。リスクを考えたらわずか２単位のために行うだけのインセンティブなんてどこにもないことくらいは判りそうなものなんですが。
あと、単なる条文の丸写しは解答とは言いませんので、誤解しないように。
それから、正解と解答例とは別物ですので。法律問題において、正解は一つとは限りませんし、ないとも言えますが、解答例は複数ありますから。その中で優劣を決めていくわけです。
自分で出題しといて言うのも何ですが、前もって準備しておきながら、この程度の問題に解答するのに１問あたり５分以上かけるのはかけすぎです。１問あたり５分までで、最終的に残った時間で見直しをする、そのくらいの余裕がないと資格試験や司法試験の択一等には歯が立ちませんよ。一応、シラバスにも書いてあるように、司法試験等を目指す人たちにも十分対応できるレベルまで講義内容は段階をふんだものにしていたのですから。自分はそこまでは求めていないという人は、だからこそ、解ったことだけを書いてください。基礎的なことが解っているなと思えれば、ちゃんと点数は上げます。
今年から、本当にバッサリやる気はまったくないのです。解りやすく、かつ高度なところまで引き上げられる講義をすること、出席した受講生に満足してもらえるだけの内容にすること、それができれば、私としては、もう十分ですから。
だって、少しでも商法に興味や知的好奇心を抱いてくれたのであれば、自分でどんどん研究していってくれるでしょうから。
勉強なんて、させられるうちは楽しくありません。したくなってこそ楽しいのです。
その感覚を抱いてもらえるように、さらに一層後期は頑張りたいなと思います。
・・・が、また舌禍でお騒がせしてしまうかもしれません（汗）
その時は、もう関大に来て３年以上経つんですし、みんなの一応先輩っていうか同窓なんですから、そろそろ、みなさんも、あいつのキャラだから仕方ないよなっていうくらいの温かい目（長い目？）で見てやってくださいまし m(_ _)m