サンフランシスコを拠点に「ナルト」「デスノート」「ブリーチ」など日本の漫画を北米で出版する出版社VIZメディアが、自社のマンガを映画化するための映画製作会社VIZ Productions を設立した。
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VIZ Productionsはハリウッドに本拠を構え、代表はジェイソン・ホフス氏。もともとスティーヴン・スピルバーグ率いるアンブリンやドリームワークスの重役を務め、多くの映画製作にかかわってきた人物だ。
同社の親会社VIZメディアは、小学館、集英社、小学館集英社プロダクションの共同出資会社。そのため、人気マンガを数多く扱っており、「ナルト」、「ブリーチ」、「デスノート」、「犬夜叉」、「モンスター」など北米で出版されるマンガの半数を手がけている。
VIZ Productionsは、親会社の集英社と小学館、そして新たに白泉社の作品を扱う。また、日本の漫画家、出版社と、ハリウッドの映画関係者のパイプ役を務めるとともに、自社のマンガの映画化の企画開発やプロデュースを独自で行う。
「理想を言えば、来年に2本、再来年には2〜3本のマンガタイトルを映画化したい」とその展望を話した上で、「しかし、大勢の人たちが映画の企画を持ち寄るので競争は激しい」と付け加えた。
しかし、現状をみても『スピード・レーサー』のように、これから続々と日本のマンガやアニメを原作としたハリウッド映画が製作されていくだろう。すでにハリウッドでは、「鉄腕アトム(Astroboy)」、「ガッチャマン」、「デスノート」、「攻殻機動隊」、「アキラ」、「寄生獣」などの企画が続々と進行している。
このように、最近になって、出版社が映画製作に乗り出すケースは多い。記事の映画化を行うようになったニューヨークタイムス紙や、カプコンのように多くのゲーム会社も自社商品の映画製作を独自で行うようになった。その背景には、マーベルなどアメリカのコミック出版社が『アイアンマン』や『インクレディブル・ハルク』などの映画製作に参入し、大ヒットさせた実績がある。
ホフス氏は、「『ナルト』『ブリーチ』『デスノート』『ヴァンパイア騎士』『モンスター』など、幅広い年齢層に受ける作品がまだまだたくさんありますよ」と、日本のマンガがハリウッド映画になるかっこうの素材であることをアピールした。
現在ハリウッドの映画業界がアメコミや日本のマンガに目をつけている。そんななか、VIZ Productionsがハリウッドでどこまで日本のマンガを映画化できるか、楽しみだ。
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