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平成12年から17年にかけて射水市民病院で人工呼吸器を取り外された患者が死亡した問題で、富山県警察本部は、23日、呼吸器を取り外したとされる当時の外科部長ら2人について、殺人の疑いで富山地方検察庁に書類を送りました。
しかし重い処分を求めるという意見はつけておらず、検察は、起訴は難しいと判断しているもようです。
書類送検されたのは、射水市民病院の当時の外科部長伊藤雅之医師(52)と外科第二部長の太田長義医師(47)の2人です。
この問題は射水市民病院で平成12年から17年にかけて、当時54歳から90歳の末期がん患者ら男女7人が人工呼吸器を取り外されて死亡したというものです。
県警察本部では7人のうち6人については伊藤医師が単独で、また残る1人については太田医師が伊藤医師と共謀して呼吸器を取り外したものとみていて、殺人の疑いで書類送検しました。
県警捜査一課の柴田錠明課長は、「生命維持装置を取り外せば死ぬとわかっていながら取り外した以上、現行の法体制では殺人と言わざるを得ない」「患者の容態が不治または末期であること、あるいは患者本人の意思表示があることが延命治療を中止できる要件といえるが、今回はそれに合わないと判断した」とコメントしていますが、重い処分を求めるという意見はつけずに送検したとしています。
またこれまでの取材を総合すると、検察は、呼吸器を外したことで直接患者が死にいたったという判断には無理があるとみていて起訴は難しいと判断しているもようです。
人工呼吸器を外して患者を死亡させた問題では北海道と和歌山の病院の医師が殺人の疑いで書類送検されましたがいずれも不起訴となっています。
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