医師不足対策として研修医を呼び込もうと、群馬大医学部付属病院(石川治院長)は今年度から、日本大など関東近県の4大学と連携した研修医対象の後期研修(専門医育成)プログラムを始める。大学ごとに異なる得意分野を生かした魅力的なプログラムで、研修医を大学病院に定着させたい考えだ。【伊澤拓也】
群大が近接する信州大(長野)、独協医科大(栃木)、日本大(東京)、埼玉医科大(埼玉)に提携を持ちかけ、文部科学省の補助金事業「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」に選定された。12年度までの5カ年事業で、今年度の補助金は約1億2800万円を申請。今後は群大が中心となってプログラムの実施を進める。
プログラムでは、研修医に従来の診療科ごとよりもさらに細分化された専門医資格ごとのコースを選ばせ、5大学の病院や関連病院を循環してもらう。研修医にとっては特長の異なる病院で希望に沿った技能を習得できるメリットがある。大学側は多くの研修医を集めることで、大学病院に残る医師を増やして地域の医師確保を進める狙いがある。
背景には、地方の深刻な医師不足がある。04年の改正医師法で研修先に大学病院以外を選べるようになったことで、研修医が都市部に集中。研修医は研修後そのまま定着することが多いため、地方の医師は徐々に減少している。
群大では今年度、同法で義務付けられる初期臨床研修を80人募集し、応募はわずか27人。ただ、より専門性の高い後期研修は想定よりも多い70人の応募があった。大学病院には優秀な専門医が多いためで、今後は提携によりさらに後期研修を強化する考えだ。
群大昭和地区総務課は「地理的に近いため、医師の循環もスムーズに行える。それぞれの得意、不得意分野を補完し合い、研修医の確保に努めたい」としている。
毎日新聞 2008年7月23日 地方版