福岡市議会の第2委員会が22日あり、こども病院・感染症センター(中央区)の整備問題をめぐり、市の人工島(東区)移転方針に反対する住民団体の請願2件を審査、継続審議にした。この中で市側は、整備先決定の日程に変更がないことをあらためて強調、別の候補地選定も「難しい」と明言。「人工島移転」の正式決定は確実な状況となった。市は月内に正式決定し発表、8月から新病院の基本構想案づくりに着手する構えだ。
委員会では、人工島移転に反対するふくおかネットワークと共産党の議員が中心に質疑を展開。これまでの患者家族と市民向けの計3回の説明会を踏まえ「反対の声が市民から相次いだ。日程変更しないのは、説明会が『ガス抜き』だったからでは」「検討し直すべきだ」との声が相次いだ。
阿部亨・保健福祉局長は「たくさん意見があるのは認識しているが、こども病院の早急整備は重要課題。速やかに作業を進めたい」と述べた。
同局担当者は「将来は病院敷地内で建て替えられるくらい広い土地に新病院をつくりたい。九州大の六本松キャンパス跡地では困難」と説明。人工島の交通利便性の向上策や、別の場所での整備の難しさを何度も繰り返し、理解を求めた。
最大会派の自民党の議員は従来と同じく、基本姿勢であるこども病院と市民病院(博多区)の統合移転を主張したが、市の単独移転方針に明確な賛否は示さなかった。公明党やみらい福岡は具体的な言及がなかった。
=2008/07/23付 西日本新聞朝刊=