北京五輪に名工大教授のナノテク採用
《公式バレーボールのコート材》

 名古屋工業大学(名古屋市昭和区)の藤正督教授とナノテク・ベンチャー「グランデックス」(岐阜県関市)が共同開発したナノテクが北京五輪のバレーボール競技の公式球ボールに採用された。22日、同大が発表した。
 この公式球は「ミカサ」(広島市)と「クラレ」(東京都)の「MVA200」で、表面を藤教授らが開発した先端ナノテク材料の「中空ナノシリカ」でコーティング。汗でぬれたときも滑りにくく、ボールコントロールがしやすいため従来よりもラリーが長く続くようになった。 藤教授と「グランデック」の「中空ナノシリカ」の共同研究は2004年にスタート。初の実用化だが、「ほかのナノテク材料に比べて製品化のスピードは早い」と同大。今後は電子材料やフィルムなどへの実用化が期待されている。
 英国スピード社の水着「レーザー・レーサー」のようにスポーツ界の開発競争は激烈だが、先端ナノテク材料がバレーボールのような大量消費材に採用されるのはまれという。


【写真説明】ラリーが続きやすいという北京五輪公式バレーボール(名古屋工業大学提供)

(2008年7月22日更新)


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