エチオピア産「モカ」の輸入が事実上ストップ コーヒー店などでは品切れ状態に
4月、エチオピア産のコーヒー豆「モカ」から基準値を超える残留農薬が検出され、事実上、輸入がストップしている。この影響で、コーヒー店などからモカが次々と姿を消している。
東京・銀座にあるコーヒー豆の量り売り専門店「南蛮屋」では、通常の豆だと在庫があるが、モカだけ品切れとなっている。
エチオピアとイエメンで作られるコーヒー豆「モカ」。
厚生労働省によると、そのうち、エチオピア産のコーヒー豆から2008年4月、基準値を超える残留農薬が検出されたため、事実上、輸入がストップした状態になっている。
全日本コーヒー協会の西野豊秀専務理事は「残留農薬について、基準値を超えた豆については輸入ができない。市場に出るエチオピア産コーヒー豆は、かなり少なくなっている」と話した。
健康に影響を及ぼすほどの量ではなかったというが、専門店では深刻な影響が出ている。
南蛮屋のスタッフは「モカのブレンドですとか、ほかのブレンドにも結構モカを使っている。(モカがなくて困るお客さんは?)たくさんいると思います」と話した。
輸入がストップしているエチオピア産は、ブラジルなどに次いで、世界第5位の輸入量。
Coffee House TOMのマスター・古巻 力さんは「(モカがなくなったことは?)初めてです。(モカは)コーヒーの代名詞ですから。われわれコーヒー屋にとってはえらいことですね」と語った。
客は「ええー、本当? 知らなかった」、「コーヒーは好きなんですけど、寂しいことですね」などと話した。
また、業界トップのUCC上島珈琲は7月中旬、モカを使ったレギュラーコーヒー製品の販売を順次停止し、ブレンドコーヒーの一部をモカ以外の豆に代用しているという。
西野事務理事は「エチオピアが残留農薬の問題の原因を解決してもらわないと、モカは極めて大きな市場を示しているだけに、影響は大きいと思います」と語った。
(07/22 19:52)