人気の「モカ」品薄 残留農薬問題で輸入減
2008年06月22日
「モカコーヒー」と呼ばれ人気が高いエチオピア産コーヒー豆が残留農薬問題の影響で輸入が困難になり、県内の喫茶店やコーヒー豆販売店ではモカコーヒーを確保できずメニューから外したり、ブレンドコーヒーに配合するモカを代替品に切り替えるなど品薄感が広がり始めた。輸入量回復のめどは立っておらず、モカ好きの「コーヒー党」はしばらく我慢を強いられそうだ。
厚生労働省は、エチオピア産コーヒー豆について、輸入届が出されたうち三割だけをモニタリング検査していた。しかし、食品衛生法の基準を超える残留農薬が相次いで検出されたため、五月から輸入業者に全量検査を指示した。
モカは果物のような香りがあり、強い酸味が特徴。全日本コーヒー協会(東京)によると、買い付けを見合わせる商社もあり、輸入量が減少している。独自に安全な豆を確保する店もあるが、全国的な品薄状態は避けられそうにない。
魚津、富山市でコーヒー豆販売や喫茶店を営む「セントベリーコーヒー」では、取引先の商社がエチオピア産モカの買い付けを中止したため、五月中旬から「モカ・ハラー」と「モカ・イルガチェフェ」のモカ系コーヒーをメニューから外した。オーナーの富川義之さん(37)は「モカは人気が高く、残念がるお客さんもいた」と話し、輸入再開を待ち望む。
富山市内のコーヒー豆販売会社も、一週間ほど前からモカが入荷できなくなった。同社の社長は「ほとんどのブレンドコーヒーにモカが配合されており、ブラジル産に替えるしかない」と困惑する。
県内の喫茶店に多くの顧客を持つ大手のキーコーヒー(東京)は現在、在庫でしのいでいるが、七月ごろからエチオピア産モカの取り扱いの休止を検討している。UCC上島珈琲(神戸市)も品薄状態は変わらず、在庫をみながら対応を検討中だ。
全日本コーヒー協会は「原因解明のため協会が現地調査も行った。早く愛飲家の要望に応えられるようにしたい」としている。
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