回天画像 8
操舵席左側壁。前後ツリムタンク用のバルブ?
アームが長くまた高速で走る回天のツリム調整はクリチカルで頻繁にかつ適時適正な調整を絶対必要としたと思われるが。
特眼鏡による視認も航跡を出すので一瞬のうちに目標との相対位置関係、彼我の速度等把握して回天を操縦、見事目標に突入するには相当に高度な技量を必要としたのではないか。
回天の乗員には予科練、予備学生、海兵出身のいずれも身体強健、頭脳明晰な優秀な者が集い時に殉職者を出す懸命の訓練で回天を自分のものにしていったようである。
既に本土空襲が始っており前線も銃後も無くなっていた時であり平和な時代からは想像を超える密度の濃い訓練を行ったものであろう。20回程度の実艇訓練で出撃出来る技量に達していたという。
操舵席後方。後部酸素タンクの上にエンジン始動ハンドル。これをいっぱいに押して発火装置を始動させる。ただし発火は一回のみだという。燃焼が停止し冷走とならない為に最低速力は10ノットと規定されていたと言う。後進も出来ない構造なので発進後はひたすら突進あるのみ。
乗員の目線の位置から。右の環状のものは計器のマウントと思われる又左のローラーが三つ付いたような板も計器のマウントではなかろうか。メインタンクの上の左右のマウントは蓄電池用か。直径1メートルというがそれにしても狭い空間。発進後は脱出や呼び戻す手段は全く無いのでいずれにせよ数時間の問題だったろうが。
特眼鏡銘板は「水防眼鏡二型改六第411号重量17キロ (航) 昭和20年7月 豊廠光学部製造」
計器は特眼鏡左に操空圧力計、主空圧力計および深度計。右に傾斜計などが付いていたようである。