北浦捕鯨の一大基地として栄えた長門市通地区で21日、恒例の「通くじら祭り」があった。伝統の古式捕鯨が再現され、赤ふんどし姿の男たちが船に乗り、勇壮な絵巻を繰り広げた。
市立通小学校の児童15人が「来たぞー」と合図し、古式捕鯨がスタート。40人(うち公募11人)の男たちが4隻の船に分乗し、沖に浮かんでいる全長13・5メートルのクジラの模型船を一斉に追った。
クジラは潮を吹いて抵抗するが、男たちはクジラに乗って銛(もり)を刺し、とどめは「鼻切り」。クジラは赤い血しぶきを上げ、男たちは「捕ったぞー」と勝ちどきを上げた。
船に乗ったフランス出身の東京都台東区、翻訳業、ニコラ・テラスさん(32)は「捕鯨文化に興味があって参加した。すごい迫力だった。ふんどしも面白いね」と楽しそうだった。【阿部義正】
〔山口版〕
毎日新聞 2008年7月22日 地方版