「特定入院料」の届け出が増加
重症の患者を治療する「ICU」(集中治療室)や「NICU」(新生児特定集中治療室)など、特定の機能を持った病棟や病室などを評価する「特定入院料」を届け出た医療機関(2007年7月1日現在)が全体的に増加しており、「特殊疾患療養病棟入院料」だけが減少していることが、厚生労働省のまとめで分かった。
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診療報酬を算定する際に届け出が必要な「施設基準」の主な項目について、厚労省は7月16日の中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)で、05年から07年のそれぞれ7月1日現在の届け出状況を示した。
それによると、「特定入院料」は、「特殊疾患療養病棟入院料」を除いてすべて増加。06年度の診療報酬改定で新設された「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」は、28施設から49施設に増加。このほか、「特定集中治療室管理料」569施設(前年同期554)、「回復期リハビリテーション病棟入院料」794施設(同670)、「亜急性期入院医療管理料」981施設(同848)、「緩和ケア病棟入院料」181施設(同164)など、全体的に増加している。
一方、「特殊疾患療養病棟入院料」の区分1は、前年同期の114施設から92施設、区分2は190施設から144施設となった。
今回、厚労省が公表した「主な施設基準の届出状況等」では、入院料や検査、画像診断、処置など、診療報酬の主な項目に沿って届け出の状況を示している。
■入院料
「入院基本料」を届け出た医療機関数は、全体的に横ばいか減少傾向。「一般病棟入院基本料」は5534施設で、前年同期(5629)に比べて減少。「療養病棟入院基本料」も減少し、3708施設(前年同期3741)、「精神病院入院基本料」は1381施設(同1385)。「結核病棟入院基本料」は横ばいで、236施設(同236)となっている。
一方、前年同期に比べて大きく増加しているのは、「障害者施設等入院基本料」の778施設(前年同期590)。このほか、前年同期に比べて増加したのは、「特定機能病院入院基本料の結核病棟」14施設(同13)と、「専門病院入院基本料」20施設(同16)だった。
「入院基本料等加算」は全体的に増加傾向にあり、特に大きく増加しているのは「がん診療連携拠点病院加算」で、前年同期の134施設から301施設へと倍以上の伸び。また、「救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算」も大きく増加し、3398施設(同2946)となった。
一方、減少したのは、▽新生児入院医療管理加算(72→70)▽療養病棟療養環境加算の区分2(906→707)▽同加算の区分3(946→930)▽同加算の区分4(171→160)▽診療所療養病床療養環境加算の区分1(720→662)▽同加算の区分2(1135→948)―など。
■医学管理
「医学管理」で大きな増加を示したのは、急性期病院と回復期リハビリ病院との連携(クリティカルパス)を診療報酬で評価する「地域連携診療計画管理料」で、78施設(前年同期)から209施設に増加。今回の改定で対象疾患に「脳卒中」が加わったため、さらに増加することも予想される。
また、診療所と病院の連携にかかわる「ハイリスク妊産婦共同管理料」も、病院191施設(前年同期122)、診療所498施設(同340)と増加。「在宅療養支援診療所」も増加し、1万477施設だった(同9434)。
■病床を有する保険医療機関数の推移
入院患者の受け入れに必要な「病床」(ベッド)が20床以上ある医療機関(病院)は、05年(9126施設)から07年(8986施設)にかけて減少した。ベッド数が20床未満の医療機関(有床診療所)も同様に減少し、05年(1万3588施設)、06年(1万2508施設)、07年(1万1907施設)となっている。
詳しくは、厚労省の「主な施設基準の届出状況等」のPDFを参照。
【主な施設基準の届出状況等のPDF】
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0716-3c.pdf
更新:2008/07/22 14:32 キャリアブレイン
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