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韓国に通貨危機の悪夢が再来?(下)

第2の通貨危機説、デマなのか真実なのか

 しかし一部の専門家は、それでも第2の通貨危機が起こる可能性は排除できないと主張する。原油高による衝撃などで韓国経済が危機を迎えた場合、外国人投資家たちが一斉に資金を回収し、国内の資産家たちも財産をドルなどの外貨に換えて海外に持ち出すような状況が発生すれば、外貨が不足する事態に陥ってしまうということだ。

 現代経済研究院のパク・トクペ研究委員は、「アジア通貨危機当時と現在の表面的な数値だけを比較するのではなく、制度が異なっている点にも注意を払う必要がある。例えばここ10年の間に為替の自由化が進んでおり、海外の資本ではなく国内の資本が一度に流出するような事態も排除できない」と主張する。

◆通貨危機ではなく金融危機の可能性

 多くの専門家たちは、10年前のように外貨が一気に流出して発生する通貨危機よりも、国内の金融危機など別の形で危機が訪れる可能性に注意を払うべきと指摘する。

 サムスン経済研究所のクォン・スンウ・マクロ経済室長は、「通貨危機よりも住宅価格や株価の急落、さらに金利の上昇が同時に起こることによる庶民経済の崩壊、さらにそこから発する金融危機の可能性により注意すべきだ」と述べた。

 家庭の負債は住宅担保ローンの急激な増加に合わせ、昨年末の時点で1戸当たり平均3842万ウォン(約403万円)から今年3月末には3901万ウォン(約409万円)へと増加した。さらに金利も急激に上がり続けていることで、元本返済の負担が増加している。また不動産景気の不振で売れ残りマンションも急増し、多くの中小建設会社が不渡り直前の限界状況に追いやられている。そのため、建設業界が震源地となる金融危機の可能性にも警戒する必要があるとの指摘も多い。

金正薫(キム・ジョンフン)記者

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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