最終更新: 2008/07/22 12:06

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土用の丑(うし)の日を前に、国産ウナギの出荷価格が高騰しています。

ウナギ屋にとって最大のお祭ともいえる土用の丑(うし)の日ですが、2008年は喜んでばかりはいられないようです。

東京・目黒区にあるウナギの専門店「八ツ目や にしむら」は、創業以来48年間国産ウナギを使い続けている。
しかし店主は、土用の丑の日を前に頭を悩ませていた。
松本 清店長は「ことしは本当にやりづらいですね。5月から100円上げさしてもらって。お客さんに(値段を)上げても苦しいなんて言えないですけど、100円上げてもそれでも高いですね」と語り、10数年ぶりに値上げを行ったという。
仕入れ値の高騰が原因だと店主は話した。
国産のウナギ1匹の出荷価格は、2007年と比べてもおよそ3割増しの2,100円にまで高騰した。
日本国内のウナギの流通量は、国産物が全体のわずか2割程度。
さらにギョーザ問題をはじめ、中国からの輸入食品への不信感が中国産ウナギを敬遠させ、量が少ない国産ウナギの人気に拍車をかけてしまった。
日本養鰻漁業協同組合連合会の白石嘉男副会長は「偽装問題等々があって、中国産を消費者の皆さんが嫌ってるということで、国産に集中する理由はあると思います」と語った。
土用の丑の日に向けて、従来は安さで勝負をしていたコンビニエンスストアも、2008年の主力は国産ウナギだった。
サークルKサンクスは、2007年と比べて国産ウナギを2倍の10万匹入荷、ローソンも2割ほど入荷量を増やす予定。
こうした国産ウナギへの人気の集中が価格高騰の大きな原因だが、さらに2008年ならではの理由もあった。
山田水産の加藤尚武マネジャーは「1kgあたり、生産コストとして、500円から600円ぐらい上がっています。1年前の1.5倍から1.6倍ぐらいになります」と語った。
ウナギを育てるには、水温を保つためのハウスを温めるのに重油が必要になる。
ところが、この重油が原油価格の高騰で大きく値上がりしてしまった。
また、餌である魚粉の価格も3割値上がりした。
加藤マネジャーは「わたし(この仕事を)始めて10年そこそこなんですが、こういった状況は初めてですし、30年、40年やられてる方にとっても、こういったもろもろの値上がりは初めてのことじゃないかなと思います」と語った。
スーパーマーケットでは、国産は中国産に比べ価格がほぼ倍になっている。
この価格差に対し、2008年の丑の日をどうするのか、都内の主婦50人にアンケート調査を行った。
国産ウナギ派は「高くても国産買います」、「やっぱり国産ですね」、「今、妊娠してるので、ちょっと中国産は怖いですね」などと語った。
中国産ウナギ派は「国産は高いし、中国産は安いし、あんまり味もわからないから、安いほう(中国産)を買っちゃいます」と語った。
あきらめる派は「あきらめる。高いから」と語った。
アンケートの結果、国産は37人、中国産は1人、あきらめる人は12人いた。
中国産ウナギへの不信感から、「国産ウナギを買う」という人が最も多かったが、国産ウナギの価格高騰を受けて、2008年はウナギをあきらめるという意見も目立った。

(07/21 13:10 鹿児島テレビ)


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