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独島:浦項への日本企業誘致で弱腰外交?

 国会本会議で21日、民主党の崔英姫(チェ・ヨンヒ)議員が部品素材関連の日本企業を誘致する専用工業団地の整備計画について質問を行ったところ、李明博(イ・ミョンバク)大統領の実兄の李相得(イ・サンドク)議員が強い不快感を表明し、議場は一時騒然となった。

 崔議員は「日本の独島に対する領有権主張に現政権が強硬に対処できずにいるのは、大統領の故郷で、李議員の選挙区でもある浦項に日本企業専用の工業団地を整備しようとしていることが原因ではないか」と疑問を投げかけた。その上で「部品素材専用工業団地の誘致は今年1月に李議員が日本に特使として赴き具体化したものだ。李大統領は4月に権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日大使の任命状授与式でも工業団地の誘致に関し日本側と協力するよう指示し、4月21日の韓日首脳会談で合意した」と経緯を指摘した。

 これに対し、韓昇洙(ハン・スンス)首相は「慶尚北道浦項市に場所が決まったとは思っていたが、独島とは絶対に関係ない。部品素材専用工業団地(の設置)も貿易赤字が理由であり、領土主権との関連はない」と答弁した。

 すると、本会議場の後方に座っていた李議員が「なぜ浦項に決まったと知っているか? わたしだって知らないのに」と大声で反発。周囲の議員も加勢して、議場は混乱に陥った。

 本会議終了後、民主党の国会広報を務めるチョ・ジョンシク議員は「李明博政権における兄の実勢の一端を見たようで苦々しい思いだ」と述べた。

 これに関連し、李議員は本紙記者に対し、「まるで独島を売り、大統領の故郷である浦項に工業団地を誘致しようとしているかのような発言は大変な侮辱で、あり得ない暴言だ。当事者は発言に責任を負うべきだ」と述べた。その上で、「浦項が日本の部品素材専用工業団地の建設地として決定してはいない。浦項のみならず、韓国のどこにも決まっていない」と付け加えた。

 知識経済部の関係者も「工業団地の建設地はまだ決まっていない」と述べた。同団地をめぐっては、現在浦項をはじめ、亀尾、群山などが積極的な誘致活動を行っている。

尹楨淏(ユン・ジョンホ)記者

【ニュース特集】独島問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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