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毎日新聞英語版は誰にハックされているのか

毎日新聞のサイトの日本語版と英語版の間の差異について考え込んでしまうこと、それはネットにおける日本関連情報の発信構造について多少の関心をもったことがある人のほぼすべてが経験した事柄でありましょう。そしてなぜこんなことになるのか疑問に思って、どういう編集になっているのだとメールを送ってみたものの、無回答であるという経験をしたことがある人も相当数にのぼることもわざわざ付け加えるまでもありません。そしてこの有名な話が日本語の世界の方ではタブーかなにかのようにあまり語られないという事実は日本ネット界の七不思議の一つといってもいいかと存じます。

この毎日新聞英語版とはなんなのかという問題をめぐってはこれまでに英語圏では考察がなされてきましたが、特に焦点になっているのがいわゆるWaiWai問題と呼ばれるものです。先に述べましたようにグーグルと毎日とが結託しているのかなどと邪推したくなるほど(ええと冗談ですよ、もちろん)この問題について日本語で言及している事例がヒットしないわけですが、WaiWaiというのはRyann Connellなる人物が日本のタブロイドから刺激的なエロ記事ばかりを「クリエイティヴに」翻訳して紹介するという趣向のコーナーです。

裏とりなどない創作記事がほとんどですからこれは端的にデマゴギーといっていいでしょう。それで問題なのはこれを読む読者の側に週刊誌リテラシーが必ずしもないという点です。つまりこれを事実として受け止めてしまう人が多いわけです。さらに問題なのは毎日新聞は記事の責任を負わないと明言し、このConnellなる人物もこれはただの翻訳なんだと開き直っている点です。つまり日本を代表する新聞が責任を放棄した上でデマを流しているという状況です。

なにをそんなに真面目になっているのだと思われるかもしれませんが、そして実はあまり真面目になっているわけでもないのですが、この放置された状況がいかに日本に関する情報を歪めているのか、英語圏との人間とのコミュニケーション上の摩擦の原因になっているのかを考えると、毎日新聞英語版問題というのは、ここでは言及しませんがJapanTimesをめぐる問題と同様に、あまり過小評価しないほうがいいような気もします。

例えば、Neojaponismeが「いかにして世界は日本を学ぶのか」という古いエントリでこの問題を採り上げています。

ステップ1: 実話ナックルズの書き手が、六本木の特別なレストランについて想像的なストーリーを書いて日本人の富裕層の倦怠にまみれた性的放蕩を風刺する。このレストランではパトロンは食べる前にその材料となる動物と獣姦をするのだと言う。(ご承知のようにこの雑誌はいつも「実話」という語をタイトルに入れて真実を語るのだ)

ステップ2: 毎日新聞のRyann Connellが何十とあるうちからこのセンセーショナルなストーリーを採り上げ、アイルランドの俗語調で英語に翻訳する。Connellはその信憑性について中立的なスタンスをとるが、なぜこの記事が個人名を挙げないのか疑問視しないし、この幻想的なレストランの存在を確認もしない。

ステップ3: 多くのコンピューターとキーボードをもつ連中がこの毎日の記事にリンクして、日本人の正気性について疑問視するコメントをつける。

ステップ4: ConnellのWaiWaiの記事をめぐっておしゃべりしているうちにBuzzFeedで「獣姦レストラン」というタイトルのエントリが立つ。あたかも一件だけでなくそれが日本の新しいトレンドであるかのように。

ステップ5: おそらく近い将来には衰退するのだろうが、金持ちが食べる動物とセックスするのに金を費やす日本は全世界で最も狂った国であると思って我々は安心して眠ることができる。

ステップ6: この記事がBuzzFeedにエントリされるとメタ的に情報が爆発する。

こういう形で情報が流通するわけですね。このエントリについたコメントを拾うと、前に紹介したWestern Fear...のブログ主のCalligraphy Kidさんが「もし毎日のWaiWaiがなくなったら日本嫌いの日本在住者が自分達のためにつくったオンラインの帝国は崩壊するだろうね。そしたら低俗好みのギークはどこにソースを探すだろう。WaiWaiのアーカイブ?」とこのコーナーの記事が日本嫌いのくせに日本に張り付いている連中の餌になっている事実に言及しています。また7374e9さんは「ありがとうMarxy(ここのブログ主)、これは分析的社会学の宝庫だよ。Ryann Connellはおいといて(こいつの目的はなんなんだ?こんな漫画のストーリーを紡ぐほど馬鹿じゃないはずだけど)僕が驚いたのは「コンピューターとキーボードをもっている連中」だよ。連中はウィットもなにもなく永遠に排外主義的な日本人なる概念(全アジア人?)をまた不朽化し、示そうとしている。まるで宇宙人かなにかのようにね。マッカッサー将軍とかペリー提督みたいなのが啓蒙の必要な「幼稚な」人種と日本人をみなしたことを思い出させるよ。この手の連中は数えきれないほどいるわけだ。これってヨーロッパ、最近ではアメリカの不滅の文化的傲慢なわけかな。ユニークな民族/文化という日本人の自画像が白人の精神に浸透してこういう神話の形でバックファイアーを起こしたのかな」と文化-政治的分析を簡潔に提示してくれますが、これに対してMattさんは「いや僕はWaiWaiは日本人と同じタブロイド・ジャーナリズムを外国人にも楽しませようぐらいの話で「白人のパワー」みたいな意味合いは読み取ったことがなかったな」とためらいがちにコメントしています。

またMarxyさんは「日本の調査報道が虚構のストーリーも伝えるタブロイドにまぎれこんでいるという基本的問題」を指摘し、「情報が多い方がいいとは思うが、WaiWaiの「中立性」を装った伝え方がこの種の問題を生む」と言い、ソースの信頼性の軽重を日本経験のない人にはつけられないと述べています。こうしてわたしもいつも不思議に思う日本のメディア構造の奇妙さ(新聞と週刊誌の階層関係)に言及しつつ、こうした馬鹿話が本気で読まれている危険について指摘してくれています。またAcefaceさんはRyannには興味はないけれど「毎日が日本で三番目に大きく、尊敬されている(ほぼ毎日調査報道をしている)新聞であることを考えるとトラックバックほしさの動物愛にまみれたそのウェブページは自分達がつくりあげたジャーナリスティックな評判を汚すことになる」とごくまっとうな意見を開陳しています。実際、英語圏では毎日新聞というのは低俗タブロイド誌だと思われているわけです。

さらに前にも紹介したAnna Kitanakaさんのブログでも毎日新聞英語版問題は何度か採り上げられています。中でもJustin Pottsさんの書いた"I love the Mainichi Shimbun online. Sort of."というエントリが簡潔に問題の所在を指摘しているので紹介します。以下要約です。

私はある意味毎日新聞を愛している。同じ新聞社の同じ記事の英語版と日本語版を記録していることで、このサイトはいかにニュースがそのオーディエンスに向けて仕立てられるかの興味深い窓となっている。ニュースとエンターテイメントの間には明確なラインがあるが、とりわけ英語版の方では後者のエンタメ志向が疑いの余地なく読者を増やしている。Kitanakaさんが以前指摘したように内容は戦略的に選択され、記述スタイルも意識的に心をくすぐるようになっている。これは日本語版も英語版の両方に言えることだが、興味深いことにこの2つの間に不一致がある。

英語のホームページを開くと、最初に気づくのは仰天すべき性犯罪の記事の多さである。このどれも米軍のレイプのケースとは関係ない。これはすべて日本人により女性に対して犯された犯罪である。記事のどれをクリックしても問題の記事だけでなく「関連記事」の下に大量の類似のストーリーを読むことができる。しかし同様の記事の日本語版をチェックしても存在したとしても「関連記事」はいつも少ないか、全く存在していない。

これは日本人の読者がこうした事柄について聞きたいと思わないことを想定しているのか。それとも英語版の編集者が自国のメディアのセンセーショナルな傾向に頼っているということなのか。

どちらにしても私は毎日新聞には最初に述べたほど興味がない。そう、嘘をついた。実際、私は内容についてこんなに極端な不一致をもってぬけぬけと報告するような新聞社を尊敬するのは難しいと思う。これはまたジャーナリズムの世界への、それからバイリンガルなリポートとかいうもののヤヌスの双頭のような二元性への興味深い窓である。

というように毎日新聞英語版はセックス・ニュースばかりに力点が置かれているという状態になっています。さて、いったい誰が毎日新聞英語版をハックし、ヴァンダライズしているのでしょうか。クリック数を増やしてくれという指示以外になにかそこには社としての方針はあるのでしょうか。社として英語版がどうなっているのか本当に把握しているのでしょうか。また英語版を書いている日本人および外国人はいったい誰に向けてどういう意図で発信しているのでしょうか。またここで発生している日本をめぐるステレオタイプの問題に責任をとる気はないのでしょうか。インフォテイメント街道を走っているのは他の新聞社も同様ではありますし、これは日本に限った話でもないのですが、毎日のケースは群を抜いていると思います。この英語版と日本語版の二枚舌やデマの垂れ流しに端的に表れているように正確な情報を伝えるという意思ももう放棄してしまっているようなのですから。もはや大上段に振りかざす正義や道徳がなにかしら空疎な印象しか与えず(理念が必要ないという意味ではなく現実とずれ過ぎているのが問題だと思います)、正確であること以上にメディアに要求される徳目はないかのような状況であるだけに、この最後の橋頭堡とみなされるものを自ら掘り崩しているかに見える毎日新聞がどこに向かっていくのか心配であります。

追記
一ヶ月以上前に書いたこのエントリに最近アクセスが増えているようです。私の立場を改めて記しておきます。まず私はWaiWaiの翻訳を担当している人物を個人として非難する意図はさほどありません。悪ノリが過ぎるとは思いますが、結局のところ、日本のタブロイド界ってこんなすごい!みたいなノリの人なんでしょう。まあ日本にもいますよね、アメリカ・バカニュース・マニアとかイギリス・タブロイド・ファンとか。私が批判しているのはタブロイド記事をそのまま毎日新聞という日本を代表する新聞が掲載しているという一点にあります。これが「素晴らしき日本タイブロイドの世界」みたいなサイトでしたら何も申し上げません。毎日新聞だから言っているのです。掲載されている記事に関しても、週刊新潮とか文春の記事ならまあいいとしましょう─ご承知のようにちゃんと裏とれているかという記事も多々ありますけれどもね─でも誰もが嘘だと知っている「実話系」の記事を我が国を代表する新聞がプッシュしているという構造は端的に言って醜悪です。虚実の境界線上を楽しむみたいなリテラシーをもつ人は世界的にはかなり限られているのですよ。実際、真に受ける人続出になっているわけです。というわけでさもしいクリック稼ぎを断念して即刻コーナーを終了するか、すべての記事の冒頭に「嘘ニュースも紛れ込んでいるかもれませんのでご注意を」と大きく明記するか、どちらかの案を採用することを提言します。なお責任は負いませんというのは駄目ですよ、デマゴギーを世界に向けて発信しているのは毎日新聞さん、あなたなのですからね。最後に一応ことわっておきますが、私は毎日を反日新聞だ!とか商業主義に毒されやがって!とか罵っているのではありません。一情報消費者として貴社に商品の品質管理を要求しているだけです。

再追記
実話ナックル→実話ナックルズでした。関係者の皆様失礼いたしました。

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waiwaiの閉鎖について

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コメント

日本人なら、あるいは少なくとも日本について多少知っている人なら、週間実話などの記事をまじに受け取るひとはいないでしょうが、ほとんど知らない人はマジに受け取ることがあるようですね。以前韓国の反日ブロガーがワイワイの記事で「日本では女性のスカートが突然ずりおろされる暴漢が流行っている、これは日本の道徳心の低下を示すものだ」みたいなこと書いてオクシデンタリズムのマットさんに叩かれていたように記憶します。
どこかのブロガーが趣味でタブロイド紙を翻訳するなら別ですが、天下の毎日新聞が給料だしてやらせているとなるとやはり見識を疑いますね。
翻訳するな、とも言えないし、やっぱワイワイ記事はほとんど嘘のタブロイド紙なんだ、という情報を承知徹底させるべきかとも思いますね。なんかうまい手だてはないでしょうかね。

投稿 空 | 2008年4月25日 (金) 02時16分

毎日新聞のサイトに掲載されることでlegitimateしてしまっているという意味が分かっていないようですね。内容に責任をもたないなどと言っても無意味で、もちろんあのサイトで発信しているという責任があるわけです。

アメリカンバカニュースみたいなブログとか日本のタブロイドの総合サイトとかそういうところでやる分には一向に構いませんが、一般紙でやるのはどう考えてもおかしいと思います。この辺の感覚が失調しているのは新聞社として本当にどうかしている。別に商業主義が駄目だとかいまさら言うつもりはないんですが、最低限の品質管理だけはしてほしい。

クリックかせぎでどうしてもコーナーを維持したいなら妙な中立を装わずに「嘘記事」も紛れていますが、ご注意を!ぐらいの警告は各記事にはっきりと入れておくべきだと思います。週刊新潮と実話ナックルの差なんて外国人に分かるはずがないんですから。

投稿 mozu | 2008年4月25日 (金) 02時37分

何だか毎日新聞って、日本の有力紙の中でも報道姿勢に一番ダメなところが多いように思いますね。
「WaiWai」の話が日本のネットで広まったら、またえらい騒ぎになるのかもしれませんね。

投稿 Baatarism | 2008年4月25日 (金) 12時47分

実は、毎日そんなに嫌いなわけでもないんですよね。記者の自立性が高いですし、調査報道もよくやっていますしね。社としてのコントロールの弱さが駄目な形であらわれる例のような気がします。もちろん毎日の経済論調は端的に駄目だと思いますよ(笑)

投稿 mozu | 2008年4月25日 (金) 15時57分

前に一度ひどすぎる記事があったんで文句のメール送った事あるわ。かなり悪質。

投稿 | 2008年4月27日 (日) 19時09分

あ、やっぱりメールで抗議したことのある人は他にもいましたね。声を出さないとこういう状況は一向に改善されませんから、このエントリ読んだ人でこれは問題だと感じた人は、自分でも調べてみて判断した上でどんどん声を上げていきましょう。

投稿 mozu | 2008年4月27日 (日) 21時14分

弊社のブログを取り上げて下さいまして、誠に有難う御座います。皆様のコメントと同じく、私も毎日新聞の「ワイワイ」はどうかと思います。しかし、毎日の英語版はネットのみであり、確かにセクシーな話は検索数が多く、広告の価値をあげるには必要としているのでしょう。ほとんどは日本語の記事を英訳しているだけだと思うので、それほどお金が掛かってないといいのですが・・・

投稿 北中杏奈 | 2008年4月28日 (月) 18時30分

コメントありがとうございます。いつも更新を楽しみにしています。

なにも日本の恥部を!みたいなノリで言っているわけではないのですが、やはり新聞社としてどうなのだと言挙げしないわけにはいかないかなと。みなが嘘だと分かって一緒になってWaiWaiやっている分にはいいんですけれどもね。どうもそうなっていない。

投稿 mozu | 2008年4月28日 (月) 20時10分

海外の通信社に日本の大手新聞社は在日と反日日本人の記者達が巣食っています。いかに日本の評判をいかに失墜させる事に異常なまでに情念を傾けています。と...言う具合に海外に通信社にメールを送りたいな。漏れの英語は全然だめだし。

投稿 爆弾を持って殺人を起こした毎日記者 | 2008年6月22日 (日) 13時00分

waiwaiへのお怒りは判らないでもないですが─問題ありすぎと思ったから私もこのエントリを書きました─抗議の仕方を間違えるとかえって損をすることになると思います。例えば、そういうメールを海外の通信社に出したら、日本における在日差別の酷さの証拠としか受け止められないでしょう。反ユダヤ主義みたいだと。実際、どういう編集体制や編集方針になっているのか今のところ明らかではないですし、単にウケねらいで暴走したのかもしれませんしね。

問われているのは第一に報道のルールや倫理の問題であり、また広く言えば英語圏における日本報道につきまとう文化偏見の問題なのだと思いますが、後者の問題は複雑すぎますから抗議の仕方をよく考えずに感情で動くと中国の反CNNみたいに逆効果になる可能性が大いにあると思います。人の振り見てです。また海外メディアは最終的には日本のメディアに依拠している訳ですから国内メディアの問題点を洗い出すことのほうが大切だと思います。

J-castにとり上げられて以降、どうも抗議の仕方としてはまずいかなという反応を目にしましたのでちょっと自分の思いをここに書きました。

投稿 mozu | 2008年6月22日 (日) 16時24分

件の「毎日事件」を、ごく最近知ったものです。あまりの下らない内容に、2ちゃんねるでこの関連スレッドを発見したものの、とても事実とは信じられず、いつものネット右翼のわらえないデマゴギー程度に思い、毎日新聞のサイトを確認もしなかった者です。

事実は2ちゃんより奇なり、でした。まさか、本当にこんな記事が垂れ流されていたとは。

まことに詳しいご紹介、ありがとうございました。
それにしても、管理人様にお話をなさる知人外国人の方の知的レベルの高さゆえか、翻訳していただいた毎日新聞英語版に対する感想の、極めてアカデミックな解説が記事そのものの内容とあまりにかけ離れていて大笑いさせていただきました。

しかし、この英語版については、私のような無学で英語サイトなど殆ど全く見ないものはいざ知らず、他の日本の新聞社や報道機関は存在を知らないはずがない、と思うのですが。五年も続けていたのでしょ?
天下の毎日新聞が、これほど下品な空想ゴシップ記事を、例えば秋葉原無差別殺人事件や、宮城地震と区別も無く垂れ流している事実があるとすれば、それ自体が大問題だと思うのですが。
(ほんとうに、実はgoogleと毎日の間には秘密の協定が・・・ゲフンゲフン)

投稿 くわしい解説、ありがとうございました。 | 2008年6月22日 (日) 18時12分

政治や文化の問題として捉えるならばいろいろ面白い論点を含んでいる事例だと思います。西洋における日本幻想の問題とか英語帝国主義の問題とか日本のメディア構造の特有性とかタブロイド・ジャーナリズムの比較文化論とか記号としての「日本女性(アジア女性)」とかなんとか。確かにネタそのものはあまりにもしょうもないですね(笑)。

私が気付いたのは3年ぐらい前ですかね。日本関連ブログでよく引用されていたんですよね。ネタとして面白がって受け止めている人もいる一方で本気にしている人もいて内容がどんどん過激化していってこれはまずいなあと。日本嫌いのサイトやフォーラムのネガコメでwaiwaiリンクというのもかなり目にしました。嫌韓の人のあっちの性犯罪リンクと同じ感じですね。どっちもどっちのウンコの応酬みたいな話ですが、英語の世界の方が場が広いですからねぇ。

他の大手メディアも当然知っていたと思いますよ。産経を除いては英語版つくってアクセス数競ってる訳ですから。さすがに朝日や読売はとてもあそこまでいけんと踏みとどまったのでしょう。どういう編集になっているのかよく知りませんが、ほったらかしで十分コントロールが効いていない状態だったのかなと想像します。

英語版と日本語版はほとんどの記事を共有しているんですが、セックス&バイオレンスが強調されてますね。性犯罪ニュースは日本語版よりもはるかに多いですね。それで目玉コーナーがwaiwai。社説で語られる高邁な理念とエログロが同居しているというぐちゃくちゃな紙面構成です(笑)。いや、けっこう迷惑な話で洒落にならないのですが、毎日新聞はいったいなにを目指しているんでしょうね。

投稿 mozu | 2008年6月23日 (月) 01時51分

以前に「「WaiWai」の話が日本のネットで広まったら、またえらい騒ぎになるのかもしれませんね。」と言いましたが、本当に騒ぎになって閉鎖してしまいましたね。
まあ、毎日新聞としても批判を受けてまでやる気はなかったということでしょうか。

投稿 Baatarism | 2008年6月23日 (月) 15時25分

本当に騒ぎになってしまいましたね。wikiのまとめサイトの管理人の方の努力の成果なんでしょう。私としては上に書きましたように閉鎖ということで結構なのですが、なんだかそれでは済まないような雰囲気になっていますねぇ。どうも女性2チャンネラーの心を痛く傷つけてしまったのが運のつきだったようで。

投稿 mozu | 2008年6月23日 (月) 16時16分

お初お目にかかります。
「閉鎖で済まない」流れになった原因はMETAタグ問題にあると思います。釈迦に説法でしたら恐縮ですが、METAタグとはサーチエンジン等でHPの記述の特徴が掛かるように入力するキーワードで、通常ウェブブラウザ上では画面に現れることはありません。また、通常本文のフレームと別枠になっていて、個人サイトは別として、大手サイトで個別の記事を記載する際にはまずいじることの無い欄と思われます。

こともあろうにMainichi Dailyはそこに「hentai,geisha,japanese girls」などのキーワードをおよそサイトと関連の無いmdn.mainichi.jpのトップページのメタタグとして入力しました。日本語の「変態」と異なり、英語で"hentai"という単語は、「日本製のエロ漫画」以外を意味することはありません。いちコーナーではなく、組織だって奇妙な客寄せを行っていた証左として騒ぎが拡大しているのです。詳細はアドレス欄でご確認ください。ページ内リンクにしてありますので、本件についてスクロールの頭から読み進められます。是非ともご高覧ください。

投稿 トグサ | 2008年6月25日 (水) 00時59分

情報ありがとうございます。hentai、geisha、japanese girlsですか。ふう。オーディエンスの期待に忠実に答えていた訳ですね。school girlsとかもありそうですね。最近はもう飽き飽きして見ていないのですが、以前日本関連の英語情報をかなり追ったことがあるのでだいたいのところは想像つきます。まあそういう人達向けのメディアを目指していたってことでしょうね。

投稿 mozu | 2008年6月25日 (水) 01時26分

最悪ですよね。
知人が、まだ、ペーパーだったころの毎日デイリーニュースに居ましたが、紙が無くなって、失職したのですが、彼女がいたならこんなことにならなかったでしょうね。
5年前なら、そんな頃じゃないかな?

こんな最悪なゴシップ記事が垂れ流されているなんて・・・
なんと言っていいのか・・・

投稿 ぷち親父 | 2008年6月26日 (木) 18時58分

現場の人達はどんな思いでやっていたんでしょうかね。ノリノリの人達は別にしても、こんなことしたくて入ったんじゃないぞと忸怩たる思いでいた人達がいないとすればそうとう重症ですが・・・。

投稿 mozu | 2008年6月26日 (木) 21時02分

担当者の処分が発表されました。重いか軽いかは主観として、リアンコネル氏のWaiWaiコーナーの記事は検索できないのですが、6/27現在、カミヤママスオ氏の記事は20件近く検索でき、その中の7割はエロなんですけど、これってどういう見立てができましょうか?

投稿 arakan | 2008年6月27日 (金) 22時17分

外国人の記事は消すけど日本人(ですよね?)の記事は消さないというのはおかしな話ですね。削除するならばみんな削除すべきでしょう。誰が書いたかではなく真偽不明の記事を掲載したことそのものが問題にされている─少なくとも私にとっては─わけですから。論理一貫性に欠けます。まあそんなものないのでしょうけれどもね。どうせライアン個人を守れとかそんな話でしょ。

投稿 mozu | 2008年6月27日 (金) 22時40分

どうも。これ以前UPしていたものを一端削除して、6/27の16時43分頃に再びあげ、2ちゃんねらにかぎつけられた 22時30頃にまた消しました。この新聞社は日本人をからかってるのかな?僕は消される直前に拾ったと。

投稿 arakan | 2008年6月27日 (金) 22時46分

パニクってるんでしょうけどみっともないです。原則論みたいなものを立てないで場当たり的な対応するからそんなことになるんですよ。普段批判しているくせに批判されるとこうなんだからなめられても仕方がないですね。聞いてますか、毎日の人?

投稿 mozu | 2008年6月27日 (金) 23時02分

毎日には、いつから、どれだけ、どんなことをやったかという 情報公開はしてもらいたいのですが、今、毎日に怒りを持った人たちが、消した記事を日本語に翻訳して再びネットに放流しているというのは、どう考えても賢明じゃない。

みなさんが怒るのもわかるのですが、最初のまとめサイトがとっておいた記事をネットから引き上げたのは賢明だったと思います。

(この件でここに書くのは終わりにします)

投稿 arakan | 2008年6月29日 (日) 11時03分

Japan Timesの記事も日本語訳したら国民の皆さんは驚くかもしれませんね。
英語が理解できるようになると日本の情報戦の後手ぶりにあきれるばかりです。

投稿 烈 | 2008年6月29日 (日) 11時17分

初めて書き込ませていただきます。
英語に慣れる為に海外のニュースサイトを何度か訪れた事はあったんですが、日本の新聞の英語版は盲点でしたね。
まさかここまで食い違った内容が掲載されてるとは思いませんよ。
自分のツメの甘さを思い知らされたような…。
この期間に海外旅行した事があるので、
正直少しひやっとしました。

渦中の人物も減給はあるものの、昇進処分らしいですね。ここも話題が爆発した原因でしょうか。
さすがにこれはもう会社ぐるみとしか…。
しかしネット上を見ると、まったく事を知らない社員さんには可哀想な事になってますね…。

投稿 toki | 2008年6月29日 (日) 14時37分

>烈さん
Japan Times、Japan Today、毎日新聞英語版はバッシング派の主要な情報の供給源になっていますね。Japan Timesの問題は扱いが難しい。全部が全部悪いとは思いませんが、全体として論調は在日外国人に対してあまり良くない影響を与えているように思えます。とはいえつけ込まれる隙を与えないように批判していく必要があると思います。排外主義だ!みたいなことにならないように。こちらとしてもそういう展開は望まない。2ch的に判りやすい部分で批判すると逆効果になってしまう。いわゆる多文化共生の理念の下に包摂していく必要があるだろうと思います。いろいろありますが、やはり相互性が欠如しているのが問題だと思いますし、在日外国人向けの新聞と自分を位置づけるならばargumentativeばかりでなくリンクを張ったりしてもっとinformativeになってほしいですね。基本情報の欠如が流言飛語を生んでしまわないように。

このレスは舌足らずでしたので書き直しました。>烈さん  ご了解ください。

投稿 mozu | 2008年6月29日 (日) 16時15分

>tokiさん
そうですねえ。私は別に毎日新聞そのものは嫌いではないんですよ。だから社員の人々にはいい新聞づくりのために頑張って欲しいんです。このエントリではハックされているという表現を用いましたが、要は乗っ取られていた訳です。そこにひどく醜悪なものを感じていました。これは別にwaiwaiの問題だけじゃないんですね。

投稿 mozu | 2008年6月29日 (日) 16時21分

>要は乗っ取られていた訳です。
一応断っておきますが、変な陰謀論的意味ではありません。英語版がコントロールを離れて好き勝手やっていたというイメージです。そこには黙認という形での加担があったのかもしれませんがね。

投稿 mozu | 2008年6月29日 (日) 22時27分

>arakanさん
毎日新聞には説明責任を果たしていただきたいものですね。ただどうにも怒りがおさまらなくなってしまっているようですねえ。ルールを守った草の根の不買運動とかならいいんですが、ここで変なイデオロギー勢力が出てこなければいいなと思います。

投稿 mozu | 2008年6月29日 (日) 22時34分

どうも観念的で2chの鬼女たちよりも役に立たん奴ばかりだな。
殴られてる最中に抵抗せずに、なんで殴られてるのか考えてる
間に殺されてしまうような馬鹿の集まりにしか見えないぞ?
最初に気づいてから何もやってこなかったのには呆れるばかり。

投稿 ripple | 2008年7月 1日 (火) 04時38分

>最初に気づいてから何もやってこなかったのには呆れるばかり。

問題があると思ったので毎日に何度も抗議した上、ここにブログの記事を書いた訳です。また英語のフォーラムやブログのコメント欄などで真に受けている人達に事情を説明したり、waiwaiに批判的な人達と協力したりと地味な努力はしてきたわけですよ。ぬるく見えるかもしれませんけれどもね。

投稿 mozu | 2008年7月 1日 (火) 11時28分

それから他の言語圏で孤軍奮闘の「情報戦」をしている多くの人々(日本人も外国人も)がいます。日本語圏ではまったく知られていないわけですが、ともかくこうした人々の見えないところでの努力もあるんだということは強調しておきたいと思います。

投稿 mozu | 2008年7月 1日 (火) 11時48分

2chの主婦層に火をつけたのが最後でしたね。
走り出した女性は止まりません…。
しかしネットの弱さは統率がとりにくい事かもしれませんね。
観念的と言われてしまえばそれまでですが、理解も得られないままに大きな行動を起こすと世論が離れてしまう。

そういえば社員さんにも事情を把握していた方がおられたようです。
黙認、というよりも握りつぶされていたのかもしれませんが。
情報を正確に伝えるための手段としての新聞が、最近正常に働いていませんね…。

投稿 toki | 2008年7月 2日 (水) 04時15分

その後の動きを十分追っていないので状況を把握していないのですが、主婦層の怒りの不買運動に関しては支持したいなと思います。人として当然の反応でしょうし、こうした場合になんの動きもないというのも不健全でしょう。きっとルールは守ってやるでしょうしね。

私が危惧したのは騒ぎたいだけの連中が方々に迷惑をかけて「ネットの悪」というようなまとめに終わってしまうこと、ひどい場合にはネット規制論がまたぞろ浮上することです。また右翼のみなさんがぞろぞろ出てきて、これが国際ニュースにされてまたぞろ日本の右傾化だの言論の危機だのが叫ばれるというパターンですね。このパターンを避けるためにも私は女性が主体になる形が望ましいなと個人的には思います。毎日による侮辱の対象になったのは「日本女性」だった訳ですしね。男は一歩引いてサポートに回った方がいい。

最低限なにを目標とするのかについてはある程度の合意がないといけないでしょうね。私の要求はとりあえず実現されてしまったので(waiwaiの閉鎖)、後は毎日が説明責任を果たして編集体制、チェック体制の再編をしてくれればいいなと希望しています。そんな風に物事が進めばいいのですがね。

投稿 mozu | 2008年7月 2日 (水) 18時15分

コノイクサハ ケッセンセンソウ デハナクシテ ジキュウセンソウナリ。カタルシスヲ モトメントスルモノハ センジョウヨリタチサレ。デモハイラヌ。カクセイキモイラヌ。スミヤカニ シュフヲ チュウシントシタル センセンニ ハセサンジ マズ デキルコトヨリ ハジメヨ。ジキュウセンソウ ニオイテ ジュウヨウナノハ モラル・オーソリチー ト ガイコウテキコウショウリョクナリ。コレヲタイセツニ セヨ。

ナオ コノケンニカンスル コメントニハ モハヤコタエヌコトニシタノデ リカイサレタシ。

追記
文脈上誤解はないと思いますが、一応注記しておきますか。あんまり無茶はしなさんな、やるなら責任ある態度で地道に消費者運動をするのがいいですよという意味です。

投稿 mozu | 2008年7月 3日 (木) 00時43分

毎日新聞社にはそもそも社の商品を一元的に管理・責任を持っている部署、役職は無いように想像します。
でないと、個人向けに訴訟の恫喝付きの再訂正「謝罪文」を掲載した後、6月29日に毎日.jpの下にある毎日小学生新聞の右下に大人版と同じ記事ランキング表があらわれ、そこにランクインした「ヴァギナの品格」や「抱かれて火がつく女」「夫に言えない妻達の理想のセックス」といったタイトルから記事本体にアクセスできるという驚くべきことが2ちゃんねるで発見されたことの理由が見当たりません。
しかも、この件、スレッドを監視していただろう毎日側が慌てて対処したようなのですが、なんと、7月2日、新しい大人向けの記事が掲載されるや、またもや毎日小学生新聞の対処済みランキングから詳細ランキングをたどってゆくと発見できるようになっていることが発覚...
メタタグの件とあわせて、会社としてまったく毎日.jpは管理されていないと考えるか、あるいは社会秩序と道徳を混乱させる意図のもとに確信犯的テロ行為を行って来たと考えるのか、この二つ以外に理由は思いつかないですね。

投稿 たこぼう | 2008年7月 3日 (木) 04時16分

僕もこの問題で気をつけなくてはならないことは、おとしどころを考えて行動する必要があるということです。
2ちゃんねるを見て事件を知った人のほとんどが権威あるものを否定する格好の材料、遊びとして扱うように思います。
そこでは達成すべき目標もなく、ただただ日々のストレスのはけ口になる。
この姿勢が逆に毎日記事の信憑性を高めるものにならないか心配です。

投稿 | 2008年7月 3日 (木) 11時51分

http://www.smh.com.au/news/world/japan-rails-at-australians-tabloid-trash/2008/07/04/1214951041660.html?page=fullpage#contentSwap1
Mozuさんの名前が例の如く文脈・内容を無視して引用されてますね。

投稿 | 2008年7月 6日 (日) 19時49分

情報ありがとうございます。困ったものですね・・・

投稿 mozu | 2008年7月 6日 (日) 21時06分

よろしければボクがMeta no Tame あたりにでも投稿しときましょうか。
このままシドニー・モーニング・ヘラルドみたいな2流新聞に言われっぱなしにされる手はないですよ。

投稿 Aceface | 2008年7月 7日 (月) 16時28分

Acefaceさん、どうも。angry postを投じたmozuです。いや、これだと私がなにかこの動きを主導しているかのようなんですね。在日外国人の批判を紹介した記事なんですがね。ここを隠蔽するのは卑怯でしょう。また私はRyanにはまったく興味がなく「一流紙」が守るべきルールと倫理を僭越ながら毎日に説いただけのつもりなんですがね。誰かさんは日本人vs非日本人という枠組みに落とし込みたいようですがね。

ご承知のように英文書くのはそんなに得意ではないので、お手を煩わせて恐縮ですが、よろしければお願いします。

投稿 mozu@ | 2008年7月 7日 (月) 22時33分

怒りのブロガー殿

とりあえず、Meta no Tame とJapan Probeには打ち込んどきましたが・・・・
まあ悪名は無名に勝るといいますからね。

投稿 Aceface | 2008年7月 9日 (水) 20時47分

どうもありがとうございました。私もJapan Probeには書き込んでおきました。悪名は無名に勝るですか。私としては自由に囀っていられればそれでよいのですが、なんだかありがたいお言葉です。

投稿 mozu | 2008年7月11日 (金) 01時38分

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