児童精神科医をめざしてる、と語っておきながら、連日このblogには広汎性発達障害のことばかり
書いてしまっていますね…でも、自分にとってはそれも書きたいと思う大切なことのひとつなのです。
昨日、
いつか転勤する自分をイメージして自分で診療のなかでの自由を制限しているような気がする、
といったようなことを書きましたが、これはこどもの患者さんを診ようと思うときにもあてまはります。
「もしも間もなく主治医交代してしまうことになったら…」と思って広汎性発達障害を持つ成人への
告知をためらうのとまったく同じ理由で、自分が転勤したあとのことを心配してこどもの患者さんを
大勢診させていただきたいという気持ちを抑制している部分があります。
こどもを専門に診る施設で勤務しているとか、こどもを専門に診るためのポストに就いているとかであれば
こどもの患者さんをどんどん診療していても困らないと思うのですが(だって後任の先生もこどもを診る
つもりで赴任してくださるでしょうから…といっても、そんなポストはほぼゼロですが)、
本来なら成人を診療することが期待されているポストでたくさんこどもの患者さんを抱えてしまうと、
私の後任になってくださる先生が困ってしまうだろうし、なによりそのことが患者さんにとって不利益に
なってしまったら申し訳なくて。
別に私が診療していれば患者さんがHAPPYで、他の先生ならUNHAPPYになると言いたいのではなくて、
一般的な精神科医(私が診療している地域だけかもしれませんが)は本当にこどもの患者さんを
診ることに消極的なのです。
でも、それは現状では仕方のないこと。だって、研修医のときから児童精神科診療のトレーニングを
積む機会が与えられていないのですから、きちんと診療したいと思う先生ほど「経験がないので」と
正直に患者さんに告げることになると思います。
むしろ問題は、児童精神科診療のトレーニングを受けたくても受けられない今の状況なわけで。
児童精神科の専門施設がなければ児童精神科診療のできる専門医の先生の数もそのぶん少なくて、
指導を受ける場も指導してくださる先生もないとなれば、トレーニングを受けられる医師も限られて、
こどもの患者さんを診る医師が育ちにくいままになっている…。
なんとかならないのかな、といつもイライラしてしまいます。
でも、現状に文句を言っていても仕方がないですよね。
今の悪循環を抜け出すには、児童精神科医が増えることと児童精神科専門施設が増えることが必要で、
そのうち自分にできることは児童精神科医を(とりあえずひとり)増やすことのみ(笑)。
専門施設は時代の流れや要請が造ってくれるだろう、そのときに備えて自分自身がスタンバイOKで
いられるように…。
まずは愚痴る暇も惜しんで、走り続けようと思います。

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